インターステラテクノロジズ(IST)は4月25日、三菱重工業にてH-IIAをはじめとする基幹ロケットの開発・打ち上げに携わってきた経験を持つ前村孝志氏が、ISTの技術顧問に就任したことを発表した。

  • ISTの技術顧問に就任した前村孝志氏

    ISTの技術顧問に就任した前村孝志氏。(c)インターステラテクノロジズ(提供:IST)

日本ロケット開発の第一人者がISTに参画

日本は宇宙基本計画において、政府・民間を問わず国内すべての人工衛星が、2028年度以降には官民のロケットでの打ち上げを検討でき、海外需要をも取り込めるようになることを目標に掲げており、民間でのロケット開発に対する需要が高まっている。そんな中でISTは、国内の自律的な宇宙アクセス維持・拡大に貢献するとともに、世界市場を見据えた国際競争力のある宇宙輸送サービスの早期実現を目指し、小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発を本格化させている最中だ。

今回同社の技術顧問に就任した前村氏は、長年にわたって三菱重工 名古屋航空宇宙システム製作所にて液体ロケットのエンジンや機体開発・打ち上げに携わり、H-IIAロケットの初代打ち上げ執行責任者を務めた経歴を持つ、日本ロケット開発の第一人者。2011~2023年には有人宇宙システム(JAMSS)で常務取締役に就き、現在は同社の顧問を務める。またH3ロケットの開発についても、宇宙航空研究開発機構(JAXA)外部評価委員として関与したという。

ISTは、幅広い知見と経験を有する前村氏の参画により技術面でのアドバイザリ体制を強化することで、低コストかつ信頼性の高いロケットの開発をより一層加速させるとしている。

前村氏はこれまでについて「日本の液体ロケットの開発の歴史を、成功と失敗を含めすべて歩んだ経験を有している」と振り返り、その経験を現在へと活用することが必要だと考える中で、民間で液体ロケット開発に取り組むISTに参画したとのこと。「ロケット開発の成功は、技術課題に真摯に取り組み、着実なステップを踏む以外に王道は無い。当方の参画がISTの成功に寄与できるよう日々対応していく所存だ」とコメントを残している。