STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)と、自動車/新エネルギー車(NEV)メーカーの吉利汽車は、SiC製品に関する既存の協力関係を加速させることを目的に、SiCの長期供給契約を締結したことを発表した。

この複数年契約に基づき、STは吉利汽車の複数のミドルレンジからハイエンドの電気自動車(BEV)向けに第3世代SiC MOSFETをはじめとしたSiCパワー半導体を供給することとなり、SiCのメリットを活用することで、性能向上や充電の高速化、航続距離の延長を実現し、吉利汽車によるNEVへの転換戦略を支援するとしている。

また、両社は、これまでの車載アプリケーションに関する長年の協力関係に基づく形で、新たに共同研究ラボ(イノベーション・ジョイント・ラボ)を設立したことも発表している。同ラボは、車載インフォテインメントやスマート。コックピット・システムといった自動車のE/E(電子/電気)アーキテクチャ、高度運転支援システム(ADAS)、NEVに関連する革新的なソリューションに関する情報交換および探究を目的としているという。

なお、STは中国市場に向けて、中国の三安光電と重慶に200mm SiCウェハを使ったSiC製品製造の合弁企業を設立することを2023年に発表しており、中国顧客のニーズへの対応強化ならびに、中国の主要自動車メーカー、産業機器メーカー、およびSiCのソリューションプロバイダとの協力の拡大を通じて、中国における電動化を加速させるとしている。

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