Arentは5月10日、同社が開催した建設DX(デジタルトランスフォーメーション)に参加した152社、419人を対象に実施した、建設業界におけるAI活用の実態に関するアンケート調査の結果を公表した。調査では、10%の企業がAIを実感効果として活用している一方で、半数以上の54%が活用方法について検討中、活用予定がないと回答した。

  • AIの活用状況

    AIの活用状況

AIは企業にとって重要な戦略的ツール

調査では10%の企業がAIを活用し、その効果を実感している一方、広範囲にわたって活用しているものの効果がわからない企業が2%、特定の業務においてのみ活用している企業が34%、活用方法について検討中の企業は47%いることが分かった。

また、AI活用で期待することについては、業務効率化が41%で最も高く、AIで業務プロセスを効率化し、作業時間やコストを削減することが期待されている。次いでデータ分析が30%、新規ビジネス創生や顧客への対応への期待もそれぞれ10%と9%となっている。

これらは、AIが業務の効率化やデータ解析、顧客対応など幅広い分野で活用され、企業にとって重要な戦略的ツールであることを示しているという。

  • AI活用で期待すること

    AI活用で期待すること

AI活用に関する障壁は「ノウハウ不足」

AI活用で43%の企業が期待通りの効果を実感し、さらに3%は期待以上の成果を挙げているということが分かった。その一方で、29%は期待通りの効果を感じ、6%はそれほどの効果を感じていない、20%の企業はまだ効果を測定できていないと回答した。

AI活用に関する懸念や障壁に関しては、ノウハウ不足が21%で最多。次いでセキュリティに関する不安と人材不足が同じ17%となっている。また、技術的な課題が15%、組織文化の変化に対する懸念が11%と続き、データの質・量の問題に関する不安が15%となった。

これらの結果から、AI活用における障壁は多岐にわたり、特にノウハウ不足やセキュリティ、人材不足が企業にとっての課題であることが示された。障壁を克服するためには、適切な教育・訓練やセキュリティ対策の強化、人材の確保などの取り組みが必要だと同社は見ている。

  • AI活用に関する懸念や障壁

    AI活用に関する懸念や障壁