GNUプロジェクトは現地時間2024年5月7日、gcc 14.1のリリースをメーリングリストで報告した。ソースコードはsourceware.orgGNUが用意したミラーサイトからダウンロードできる。2026年に改定さる予定のC++26に準拠するため、1990年公開のANSI C標準と比べてワーニングから記述要素をエラーと見なすようにした。また、IA-32、x86-64、AArch64環境ではC++23におけるビット単位整数型の_BitIntをサポートしている。具体的な差異はドキュメントで確認可能だ。

  • WSL上でビルド中のgcc 14.1

本バージョンではC++26機能と欠落していたC++23に関する不具合を修正し、C++テンプレートのインスタンス化時にソースの引用を可能にしている。他にもlibstdc++expライブラリーにC++の標準ライブラリーの一部であるFilesystem TS(Technical Specification)のすべてのシンボルと、std::stacktraceクラスの実験的シンボルが含まれるようになった。さらにC++17のFilesystemライブラリーをリンクするためのlstdc++fsではなく、gcc 14以降に対応したlstdc++expの使用を推奨している。変更内容は多岐にわたるため、Changelogを参照してほしい。