Space BDは4月11日、千葉工業大学(千葉工大)の学生が開発し、同社が打ち上げに関するサポートを提供した超小型人工衛星「KASHIWA」について、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟から宇宙空間への放出が完了したことを発表した。
5つのミッション達成を目指し宇宙空間へ
1Uサイズの超小型人工衛星であるKASHIWAは、千葉工大の取り組みで、研究・開発者のアイディアを確実に実現できる製造・運用能力を有する技術者を育成する「高度技術者育成プログラム」の中で、学生たちによって開発された。なお同衛星はミッションとして、「宇宙産業分野での高度技術者の育成」「ステレオカメラによる測距技術実証」「カメラによる地球観測」「Automatic Position Reporting System(APRS)を使用した衛星経由でのデータ送受信技術の実証」「地磁気観測データの聴覚情報への変換実証」の5つが期待されている。
KASHIWAは、3月22日にSpace XのFalcon9ロケット30号機でISSへと打ち上げられた。そして4月11日の午後7時35分(日本時間)、きぼうから宇宙空間への放出に成功。その模様は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公式YouTubeチャンネルでも配信された。なお今後は、ステレオカメラによる測距技術や地磁気観測データの変換などといったミッションの達成に向けた運用が行われる予定だ。
Space BDは、未知への挑戦の体現である宇宙というテーマで、急速に変化するこれからの社会に求められる力を育成するという想いから教育プログラムを提供しているとのことで、今後もこうした宇宙活用サービスの提供を通じ、宇宙産業に貢献していくとしている。