台湾の市場動向調査会社であるTrendForceによると、第2四半期のNAND契約価格は前四半期比で平均13〜18%ほど上昇すると予測されるという。

中でもエンタープライズSSDは同20〜25%ともっとも上昇率が高いと予想されている。キオクシアとWestern Digitalが第1四半期以降、稼働率を高めて増産を開始したにもかかわらず、他のサプライヤは生産能力の増強に追従してはいないことが挙げられるほか、顧客側の第2四半期のNAND購入量も第1四半期比でわずかに落ち込んでいるためだという。

  • 2024年第1四半期および第2四半期の製品カテゴリ別NAND契約価格の上昇率

    2024年第1四半期および第2四半期の製品カテゴリ別NAND契約価格の上昇率 (出所:TrendForce)

製品カテゴリ別に見ると、「eMMC/UFS」は、その需要の中心が中国のスマートフォン(スマホ)サプライヤによるところが大きく、中国のモジュールメーカーからの出荷が増加している。また、スマホサプライヤの間でeMMCの採用が加速する可能性があり、NANDウェハ価格の上昇に伴い、eMMCの契約価格も第2四半期に10~15%ほど上昇することが予測されている。一方のUFSはインドと東南アジアにおけるスマホ需要に支えられており、第2四半期も受注の勢いは高いほか、中国のスマホブランドも適切な在庫レベルを確保するために第2四半期の注文を増やすなど需要の下支えをしている。こうした背景から、損益分岐点目標の早期達成を目指すサプライヤ各社は、第2四半期にUFSの契約価格を同10~15%ほど引き上げると予想されるという。

「エンタープライズSSD」は北米と中国のCSP(クラウドサービスプロバイダ)からの需要の高まりもあり、購入量が上半期中は増加傾向が続くと予想されている。ただし、大容量SSDの注文に対する注文履行率が低いことがサプライヤの価格動向に影響を及ぼしており、購入者はより高い価格を受け入れることを余儀なくされる可能性がある。また、一部の購入者が2024年下半期のピークシーズンを前に在庫レベルを増やす動きを見せているため、エンタープライズSSDの契約価格は第2四半期に同20~25%ほど上昇すると予測されている。

「クライアントSSD」は、一部のPC OEMが第2四半期の注文量を削減するなど、オフシーズンということもあり、顧客の購入戦略が慎重になっている。また、下半期に向けてピークシーズンを前に価格の急速な上昇により、下半期の受注の伸びが抑制される可能性が高く、クライアントSSDの第2四半期における契約価格の上昇率は約10~15%ほどに留まることが予想されるという。

「NANDウェハ」の売り上げは春節後、下流の顧客が在庫を蓄える必要性を示さないため減少傾向にある。その一方で契約価格の上昇傾向を保ちたいサプライヤ各社の思惑から、中国のスマホブランドは価格の折り合いがつかずにモジュールメーカーからの供給にシフトを進めつつあり、中国のモジュールメーカーはスマホブランドとの協力拡大に向けて高い在庫率を維持している状況が続いており、結果としてNANDウェハの同四半期の契約価格は同5~10%ほどの上昇率に留まるとTrendForceでは予想している。