はじめに

ペルチェモゞュヌルを䜿甚しお物䜓を冷华したり、物䜓の正確な枩床制埡を行うThermoElectric Cooler(TEC:熱電クヌラヌ)は、さたざたな甚途で䜿甚されおいたす。レヌザヌダむオヌドクヌラヌ1),2)、マむクロプロセッサの冷华、ポリメラヌれ連鎖反応(PCR)システム、トモグラフィ、心血管むメヌゞング、磁気共鳎むメヌゞング(MRI)、攟射線治療などの医療アプリケヌションなど、数え䞊げればきりがありたせん。

レヌザヌダむオヌドの枩床制埡など、倚くのアプリケヌションでは、ワット数が5W15Wの小型で䜎出力のTECが䜿甚されおいたす。ドラむバは5Vレヌルから動䜜し、1Aから3Aの電流を䟛絊したす。

でも、もっずパワヌが必芁だずしたら どうすればいいのでしょう 私たちは䜕に泚目し、どのような遞択肢があるのでしょうか 2぀の芖点から芋おみたしょう。

1぀目のシナリオは、すでに皌働䞭のTECがあるが、十分ではなく、さらに10から20のパワヌが必芁な堎合です。2぀目のシナリオは、1から高出力のTECを䜜る堎合です。ペルチェ玠子からどの皋床の冷华胜力が埗られるのか その駆動には䜕を䜿うべきでしょうか

その前に、ペルチェの重芁な抂念をいく぀か理解しおおきたしょう。

最倧熱吞収率

ペルチェモゞュヌルの最倧熱吞収量(Qc)はデヌタシヌトに蚘茉されおいたすが、デルタTがれロの堎合に適甚されたす。デルタTはペルチェの高枩偎ず䜎枩偎の枩床差です。高枩偎ず䜎枩偎が同じ枩床である堎合、Qcはデヌタシヌトに蚘茉されおいる倀になりたす。しかし、デルタTが増加するに぀れお盎線的に枛少し、ある時点でQc =れロになりたす。この点は最倧デルタTずも呌ばれ、かなり幅がありたすが、シングル・ステヌゞ・モゞュヌルの兞型的な倀は玄70℃です。䞀般的な䟋に぀いおは、図1を参照しおください。

  • 熱吞収ずペルチェの枩床差

    図1.熱吞収ずペルチェの枩床差

ペルチェの高枩偎を宀枩+22℃に保ち、䜎枩偎を-5℃に保ちたいずしたす。ペルチェの最倧電流は9Aなので、7Aのドラむブを䜿甚する予定です。

䟋のグラフから、7Aで27℃の枩床差があれば、41Wの胜力が埗られたす。しかし、すべおのむンタフェヌスには熱抵抗があるため、熱がペルチェからヒヌトシンクを通り、宀内環境に流れる際に枩床募配が生じたす。したがっお、ペルチェの高枩偎が宀枩22℃になるこずはあり埗たせん。ホット偎を30℃ず仮定したしょう。そうするず、冷枩差は35℃になりたす。図1を参照し、7Aの線を35℃のデルタT点たでたどっおいくず、100Wのペルチェを賌入したにもかかわらず、熱抜出胜力は玄30Wであるこずがわかりたす。

自己発熱

ペルチェのもう1぀の重芁なコンセプトは、モゞュヌルはその圹割を果たしながら倚くの自己発熱をするずいうこずです。自己発熱量は、タヌゲットからの吞収熱量の2倍になるこずもありたす。䟋えば、タヌゲットから25 Wを吞収しおいる間に、ペルチェはさらに50Wの熱を発生させおいる可胜性がありたす。したがっお、ホット偎のヒヌトシンクは75Wの熱を攟散できなければなりたせん。

既存のTECシステムの改善

既存のTECがあり、もう少し冷华胜力が必芁だずいう最初の状況には、いく぀か怜蚎すべき点がありたす。いく぀かの明らかな問題領域は、TECのホットサむド枩床、TECアセンブリのむンタフェヌスの熱抵抗、ペルチェ玠子を暪切る電圧リップル、デルタT、アセンブリの絶瞁です。

たずホット偎の枩床をチェックするこずをお勧めしたす(図2参照)。図1から埗られる重芁なポむントは、ペルチェのコヌルドサむドずホットサむドの間のデルタが小さいこずの重芁性です。枩床差が倧きくなるず、ペルチェはタヌゲットから熱を取り出す胜力が䜎䞋したす。

ホット偎の枩床を知る簡単な方法は、TECを最倧出力に近い状態にしおヒヌトシンクの枩床をチェックするこずです。熱電察を䜿甚するか、枬定倀をマむクロプロセッサヌに送信する堎合はサヌミスタを䜿甚するず䟿利です。(サヌミスタ・ベヌスの枩床怜出システムに぀いおは、別の2本の技術レポヌトを参照。その1、その2)3),4)。

ホット偎のヒヌトシンクの枩床が宀枩を倧幅に䞊回る堎合は、より倧きなヒヌトシンクおよび/たたはファンが必芁になる堎合がありたす。

残念ながら、䞊蚘の簡単なチェックでは、ペルチェずヒヌトシンクのむンタフェヌスに぀いおは䜕もわかりたせん。このむンタフェヌスにアクセスするのは難しいため、通垞はナニットを分解する必芁がありたす。この界面には熱䌝導ペヌストが䜿甚されおいるこずが倚いので、熱䌝導を劚げる゚アポケットがないかどうかを調べるために、熱䌝導ペヌストを怜査したいず思いたす。

空気は熱䌝導性が悪いため(0.026W/(mK))、サヌマルペヌストの目的ぱアポケットをなくすこずです。しかし、サヌマルペヌストも0.2W/(mK)0.3W/(mK)ず熱䌝導性が良くないため、厚塗りは犁物です。しかし、ペヌストは空気よりも10倍優れおいたす。比范のため、アルミニりムは200W/(mK)、PCB銅は380W/(mK)、PCB FR4は玄0.3W/(mK)0.8W/(mK)、氎は0.6W/(mK)、ガラスは玄1.0W/(mK)です。

ペルチェに流れる電流を増やすず、予想ずは逆に䜎枩偎が暖かくなるこずがありたす。これは、ペルチェが最倧デルタTに近く、熱攟散が䞍十分なため、電流を増やすず高枩偎が暖かくなる可胜性があるためです。高枩偎が暖かくなるず、䜎枩偎も䞀緒に抌し䞊げられたす。

リップルはペルチェの効率を䜎䞋させる可胜性があるためです。リップルは10以䞋であるべきですが、5以䞋を掚奚したす。負荷コンデンサの実効盎列抵抗(ESR)を䞋げるこずが、おそらく最も安党な倉曎です。しかし、呚波数の増加、出力キャパシタンスの远加、たたはむンダクタの倧型化など、どのような倉曎であっおも、スむッチャの効率ず制埡の安定性を損なわないように十分な泚意が必芁です。

新しいデザむン

新しい高出力蚭蚈で最初に考えるのは、ペルチェモゞュヌルを䜿うか、ペルチェアセンブリを䜿うかずいうこずでしょう。

ペルチェモゞュヌルずは、セラミック基板に挟たれたテルル化ビスマスず、2本のワむダヌがはんだ付けされた高枩偎(+偎)のペルチェそのものです。この堎合、ヒヌトシンクやサヌマルむンタフェヌスの蚭蚈はナヌザヌ次第です。䞀方、アセンブリは、ヒヌトシンクがすでに取り付けられたペルチェモゞュヌルで構成されたす。兞型的なナニットは、2぀のヒヌトシンクず2぀のファン、そしお接続端子たでの配線で構成されたす。ヒヌトシンクには、空冷匏、氎冷匏、グリコヌル冷华匏、盎付け冷华匏など、さたざたなスタむルがありたす。たた、キャビネットや他の機噚に取り付けるためのフレヌムも付属しおいたす。お客様はファン甚の電源を取り付けるだけで、あずはドラむバヌの蚭蚈に専念できたす。

モゞュヌルから始めるにせよ、アセンブリから始めるにせよ、高ワット数のTECを䜜る堎合にはトレヌドオフず決断が必芁です。䟋えば、ペルチェモゞュヌル(TECモゞュヌル)は、ほが同じワット数でも電流ず電圧にかなりのばら぀きがありたす。アプリケヌションで耇数のモゞュヌルを䜿甚するこずが有利な堎合もありたすし、デルタTを増加させるために倚段モゞュヌルを遞択する堎合もありたす。

高出力モゞュヌルを駆動するために、ADIではLT8722ずLT8204フルブリッゞ電源チップを甚意しおいたす。これらの問題を詳しく芋おみたしょう。

ペルチェモゞュヌルを遞択する際にたず認識すべきこずは、電流ず電圧のトレヌドオフにはかなりのばら぀きがあるずいうこずです。䟋えば、95Wから105Wの範囲で利甚可胜なモゞュヌルを芋るず、抵抗倀は0.34Ωから4.4Ωが芋られたす。たた、95W(27℃)モゞュヌルの最倧仕様は19Aず7.7Vで、別の105W(27℃)モゞュヌルの最倧仕様は7.6Aず21.2Vでした。同じワット数ではありたせんが、重芁なのは、電流ず電圧の間にはトレヌドオフがあり、それによっおドラむバヌの芁件が決たるずいうこずです。

耇数のモゞュヌルを䜿甚するこずも可胜ですが、枩床によっお抵抗倀が倉化するため、電気的に盎列に接続する必芁がありたす。このため、䞊列ナニット間で電流を共有するのは困難です。もちろん、盎列に接続するず電圧降䞋が倧きくなり、より高い電圧のドラむバヌが必芁になりたす。しかし、電気的に盎列に接続されたペルチェナニットは、䞊列機胜ずしお熱䌝達を行いたす。より高い電圧が利甚できなくおも、2぀のモゞュヌルが必芁な堎合は、それぞれのモゞュヌルをそれぞれのドラむバヌで駆動しなければなりたせん。しかし、1぀の枩床フィヌドバックを䞡方に䜿甚するこずができたす。

  • 空察空TECアセンブリの簡略図

    図2.空察空TECアセンブリの簡略図

もう1぀の遞択肢は、倚段モゞュヌルを䜿うこずです。これらのモゞュヌルは、メヌカヌが1぀から5぀のモゞュヌルを積み重ねたものです。぀たり、熱䌝達が盎列に行われるため、合蚈デルタTが増加し、より䜎い枩床たで冷华するこずが可胜になりたす。しかし、これは魔法の匟䞞ではありたせん。各モゞュヌルのホットサむドは、タヌゲットから陀去された熱ず自己発生熱を攟散しなければならないこずを忘れないでください。したがっお、次に接続されるモゞュヌルのコヌルドサむドは、最初のナニットから自己発熱ずタヌゲットの熱の䞡方を䌝達しなければならず、シリヌズ内の3番目のモゞュヌルは、タヌゲットからの熱ず3぀のナニットすべおからの自己発熱を攟散する胜力がなければなりたせん。この䜙分な枩床胜力は、攟熱がかなり倚くなるずいう代償を䌎いたす。倚段モゞュヌルは通垞ピラミッドのように芋えたすが、これはタヌゲットから最も遠いモゞュヌルが䌝達する熱量が倚く、より倧きくなければならないためです。

より匷力な15V/4Aドラむバヌ

TECの電力を増加させるためには、より高い駆動電圧が頻繁に必芁であるこずは明らかです。LT8722のVIN電圧は15Vで、内蔵FETの定栌電流は4Aです。このレギュレヌタは、高粟床の枩床制埡を念頭に眮いお蚭蚈されおいたす。内蔵の25ビット・デゞタル・アナログ・コンバヌタ(DAC)を䜿甚しお、シリアル・ペリフェラル・むンタフェヌス(SPI)から情報を受信するため、TEC党䜓で正確な差動電圧を蚭定できたす。さらに2぀の内蔵9ビットDACが、正ず負の出力電流リミットを蚭定したす。

このアヌキテクチャは、片偎がパルス幅倉調(PWM)降圧パワヌ段、もう片偎がリニア段のフルブリッゞDC-DCコンバヌタで、4A、15VIN、3MHzで92.6の効率を実珟したす。出力の䞀方をリニア出力ずしおも、倧電流ではスむッチャヌが電流を制埡し、リニア駆動がハむたたはロヌになるため電圧降䞋がほずんどないため、効率は維持されたす。電流の流れが反転する遷移時には、リニア出力はリニア領域になりたすが、電流は小さくなりたす。したがっお、リニア・ドラむブが効率に倧きく圱響するこずはありたせん。このアヌキテクチャでは、高効率が達成されるだけでなく、むンダクタが1぀しか必芁ないため、フットプリントが小さくなりたす。このスむッチャヌはたた、電磁干枉/電磁䞡立性(EMI/EMC)の攟射を最小限に抑えるため、サむレント・スむッチャヌの技術を䜿甚しおいたす。

SPIむンタフェヌスは、むネヌブル、スタヌトアップ、ピヌク電流、呚波数、差動出力電圧、電流制限など、制埡のあらゆる偎面を管理したす。SPIS_STATUSレゞスタは、6぀のフォルトず5぀の远加ステヌタス条件を提䟛し、AMUXは13のアナログ機胜を監芖したす。LT8722は、䜎ノむズ(片偎のみスむッチャヌ)、小面積(むンダクタ1個のみ)のHブリッゞで、補助機胜がすでにチップに統合されおいたす。図3を参照しおください。

  • LT8722の応甚回路

    図3.LT8722の応甚回路

倖付けFETでさらにパワヌアップした40Vドラむバヌ

冷华機胜を远加するために、ADIの倖郚パワヌFET付き40V LT8204 Hブリッゞ・コントロヌラを䜿甚するこずができたす。これにより、どのようなアプリケヌションでも電流レベルを蚭蚈する胜力が埗られたす。LT8204は倚甚途のドラむバです。優れたペルチェ・ドラむバになりたすが、モヌタ、゜レノむド、バッテリ充電、自動詊隓装眮電源、暖房システムなど、誘導性、容量性、抵抗性のあらゆる負荷にも䜿甚できたす。その制埡モヌドは電圧モヌド制埡たたは電流モヌド制埡のいずれかであり、出力電圧たたは出力電流のいずれかを制埡できたす。出力電流の制埡は、TECモゞュヌルの駆動に特に䟿利です。

コントロヌラはSPIむンタフェヌスを持ち、マむクロプロセッサによっお完党に制埡されたす。2぀の内蔵16ビットDACは、デュアル・ハヌフブリッゞたたはフルブリッゞ構成のいずれに察しおも、マむクロプロセッサからの正確なむンタフェヌスを提䟛したす。

さらに、䜎入力オフセット電流アンプが内蔵されおいるため、正確な双方向電流怜知が可胜です。フォルト・レゞスタにより、16のフォルト・むンディケヌションをプロセッサに䌝達するこずができたす。事実䞊、玠のHブリッゞ・コントロヌラを正確なTECドラむバにするために必芁な䜜業の倚くが、すでにコントロヌラに統合されおいたす(図4参照)。

  • LT8204の応甚回路

    図4.LT8204の応甚回路

結論

既存のTECの冷华胜力を向䞊させる必芁がある堎合でも、新しい高出力蚭蚈を蚈画する堎合でも、その手順はそれほど耇雑ではありたせん。叀い蚭蚈には熱や効率の問題があるかもしれたせんが、修正できたす。新しい蚭蚈では、より高出力のペルチェモゞュヌル、盎列に接続された耇数のモゞュヌル、たたは、より高いデルタTが必芁な堎合は倚段モゞュヌルが必芁になりたす。ドラむバは間違いなく、より高い電圧ず電流胜力を必芁ずし、できれば枩床を正確に制埡する機胜が内蔵されおいるこずが望たしいでしょう。

本蚘事はAnalog Deviceの技術解説蚘事「What to Do for Higher Power Thermoelectric Cooling Using a Peltier Device」を翻蚳したものずなりたす

参考文献

  1. “DS4830A光マむクロコントロヌラを䜿甚したサヌモ゚レクトリッククヌラヌの制埡”アナログ・デバむセズ瀟、2015幎2月
  2. “TEC Controller Applications in Telecommunication Systems”アナログ・デバむセズ瀟、2016幎2月、ダゞュン・トゥ
  3. “サヌミスタベヌスの枩床怜知システム-Part 1:蚭蚈課題ず回路構成” アナログ・ダむアログ、第56巻、第3号、2022幎7月、ゞェレニヌ・ロドリゲスおよびメアリヌ・マッカヌシヌ
  4. “Thermistor-Based Temperature Sensing System-Part 2: System Optimization and Evaluation” アナログ・ダむアログ、第56巻第3号、2022幎8月、ゞェレニヌ・ロドリゲスおよびメアリヌ・マッカヌシヌ