リコーは、顧客との対話を通じて新たな価値を創造し、最新のAI技術を活用しながら共創活動を強化していく取り組みの一環として、従来は田町に構えていた「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」(RICOH BIL TOKYO)について、その規模を拡大し品川へと移転。2月1日よりリニューアルオープンした。
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品川にリニューアルオープンした価値共創拠点「RICOH BIL TOKYO」(出所:リコー)
同社は新たなイノベーションスペースの再始動に際し、報道陣向けに施設を公開。創造性を高め、本質的な課題解決や新規ビジネスの共創に向けたアイデアを導出するために計算されたデザインや設備を紹介した。
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大きく規模を拡大した新拠点内部の様子とは
デジタルサービスへの変革を進めるリコーのAI技術
リコーは近年の経営計画として、メインのビジネスモデルを“デジタルサービス”へと変革していくことを発表している。デジタルサービスでは、人の仕事から単純作業を削減し、クリエイティブな作業における手助けをすることで、より創造的な働き方を実現することを目指しているといい、現在は「ビジネスプロセスオートメーション(BPA領域)」と「コミュニケーションサービス(CS領域)」の2つの成長領域に注力しているとのことだ。
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リコーが注力するデジタルサービスにおける2つの成長領域とAIの活用可能性
こうしたデジタルサービスの創出にあたって特に重要なのが、AI技術だ。リコーグループではデジタル人材戦略に基づいてAI開発人材の輩出を目指しており、AI自体のR＆D、プロンプトやデータの開発、アプリケーションへの組み込みなど、AIの開発から利用までの各段階で能力を発揮する人員が集結。現在では300名を超える開発者が在籍しているとする。
特に元来より画像認識技術に強みを持つリコーは、画像・空間認識系のAI技術を特徴としており、外観検査をはじめ、インフラの点検やデジタルツインへの活用を見据えた開発を進めている。また自然言語系についても注力しており、人の作業を簡略化し、新たなサジェストを加える役割を果たすAIが実現されているとしている。
1部屋だった前拠点から1000m2の空間へ大きく拡大
リコーは2018年、顧客との対話を通じて課題を見つけ出し、既存AIアプリケーションの活用や新たな開発方針を探る共創拠点として、RICOH BIL TOKYOを田町に設置。これまで860社が来場し、新たな課題解決を目指したとする。
発見された潜在的な課題の中で、リコー単独でのデジタルサービスで解決できた課題は、約56％。裏を返せば、40％以上の課題は既存技術で解決することは難しく、顧客との共創や新たなテクノロジーの開発によって取り組む必要があったという。
しかし、そうした潜在的な課題を対話の中から探り、新たなソリューションを生み出すという動きに対しては、多くの顧客から期待を寄せられたとのこと。また、大きなイノベーションにつながる新たな“問い”は、偶然性のある対話から生まれてくることが見えてきていた。そこで今回は、より高度な課題を対話から発見し、そして協力しながら解決していく“価値共創拠点”として、品川でのリニューアルオープンに至ったとしている。
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RICOH BIL TOKYOで期待されるのは“偶然性×創造性”のもとで生まれる新たな問いだ
ビジネスの実装後もサポートする“循環型の共創”へ
新たなRICOH BIL TOKYOは、約1000m2もの施設面積を持つ“想像力をかき立てる拠点”。リコーのEBC(Executive Briefing Center)として位置づけられ、顧客企業の経営者などを迎えて行う対話やワークショップを通じて、あらたな価値シナリオやビジネスデザインを描き、実装に至るまでの伴走支援を行うという。
田町拠点での共創では、ビジネスデザイナーなどの担当者による対話から生まれた発想をもとに、同社のデジタルサービスを活用した解決策を提示するにとどまっていたとのこと。しかし新拠点の運用に向けた変更点として、データサイエンティストやエンジニアを交えながら、ワークショップやプロトタイピングなどさらに先の段階まで共創を深化。加えて実装に至った後も、そこで生まれた新たな課題を再び取り上げ、さらに解決を目指すという循環型の共創が生まれることを狙うとする。
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RICOH BIL TOKYOでの創出を目指す“循環型の共創”イメージ
