宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月の近くを周回する月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」利用への日本からの参加に向け、専用Webサイトにて現在の検討状況を紹介するとともに、研究機関や企業などが関心を持っている分野や利用のアイデアについて、アンケートの形で意見の募集を開始した。アンケートの受け付け機関は2024年3月31日までを予定している。

月周回有人拠点Gatewayは、月面や火星に向けた有人探査の中継基地として、米国の提案のもと開発が進められており、日本は居住機能や物資補給での貢献を予定している。具体的には、Gatewayの国際居住棟(I-Hab)の中核となる生命維持・環境制御システム(CO2除去、微量ガス除去、酸素分圧制御など)の提供のほか、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の後継機となる新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)を活用した物資補給、および居住・ロジスティクス拠点(HALO)へのバッテリー提供などが想定されている。

現在、そうしたGatewayにて行うミッションの検討が参加極間で進められており、JAXA有人宇宙技術部門でもWebサイトにて、Gatewayでの日本の役割、Gateway利用の特徴、国際間での検討状況、搭載予定の装置といった情報を公開している。

JAXAでは今後、Gatewayの利用を検討している、あるいはGatewayの利用に関心がある研究機関や企業などに対してアンケートへの協力を呼び掛けており、アンケートで通して送られてきた意見は、利用分野や開発する装置の検討に活用していくとするほか、希望する企業や研究機関には、引き続き関連する公募情報やシンポジウムの関連情報について随時届けていくとしている。