AI(人工知能)開発のオルツは12月7日、同社独自の大規模言語モデルを基盤とした生成AIプラットフォームで全社員が自分自身のAIクローンを生成した上で、そのクローンが働いた分の給与も社員に支給する給与システムを導入すると発表した。同社によると世界初で初めての試みだという。
2014年11月に設立されたオルツは現在、約100名の従業員を抱えている。社員一人ひとりが個々のクローンを生成し、そのクローンに商談や社内会議の内容、「Slack」での日々のコミュニケーション情報をはじめ、業務で使用しているGoogleの各種データ、指定したウェブサイト上の情報やCSV、PDFなどの各種データを連携している。趣味や嗜好も学習させることで、本人の思考を再現できるように日々学習しているという。
オルツの社員は、自分自身のクローンに対してそれぞれ用途を設定し、営業や人事、採用、総務から新人教育まで、あらゆる業務で活用している。例えば、コンサルタントは、顧客向けの提案の場面でクローンを活用することで、必要な情報を即時に検索・提供することができているとのこと。
そして同社は、クローンの活動量に応じて、社員本人に給与を追加支給する給与システムを導入。クローンを活用することで業務効率が向上し、社員自身は人間にしかできない仕事に集中して新たな価値を生み出せるようにすることが狙いだ。給与という直接的な利益としても本人に還元される。効率的で柔軟な働き方を実現するだけでなく、今後のクローン育成の起動力にもつなげたい考えだ。