Appleは10月30日、3nmプロセスを採用したMac向け第3世代SoC「M3/M3 Pro/M3 Max」を発表した。

  • 「M3/M3 Pro/M3 Max」のイメージ

    「M3/M3 Pro/M3 Max」のイメージ (出所:Apple)

M3は、前世代のM2と比べ50億個多い250億個のトランジスタを搭載しているほか、次世代アーキテクチャを採用した10コアGPUを搭載。この10コアGPUには、Dynamic Cachingと呼ばれる新技術が導入されたほか、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングやメッシュシェーディングといった新たなレンダリング機能も初めて採用され、レンダリング速度は、第1世代のM1ファミリ比で最大2.5倍高速になったとしつつ、M1と同じパフォーマンスを約半分の電力で実現し、ピーク時には最大65%高いパフォーマンスを提供するとしている。

CPUの性能としても、M1比で4コア構成の高性能コアで30%、4コア構成の高効率コアで50%高速化されており、Neural EngineもM1比で60%高速化されたとするほか、新しいメディアエンジンがAV1デコードに対応することで、ストリーミングサービスではより効率的で高品質なビデオ体験を体験することができるようになったとしている。

また、メモリについては、ユニファイドメモリアーキテクチャを採用することで、システムが大半のタスクで必要とするメモリ量を削減しつつ、メモリ最大128GBの容量に対応しているため、AIの操作などもノートブックPCで可能になるとしている。

M3 Proは370億個のトランジスタと12コアCPU(高性能コア×6、高効率コア×6)および18コアGPUで構成されており、CPU性能はM1 Pro比で最大30%高速なシングルスレッドパフォーマンスを提供するほか、GPUも同比で最大40%高速化されたという。対応するユニファイドメモリ容量は最大36GB(M3は24GB)としている。

M3 Maxは920億個のトランジスタ、16コアCPU(高性能コア×12、高効率コア4)および40コアGPUで構成。CPU性能はM1 Max比で最大80%高速なパフォーマンスを提供するとしているほか、GPUも同比で最大50%高速化かつ最大128GBのユニファイドメモリに対応しているため、数十億のパラメータを使用するAIモデルの操作なども可能だとしている。また、2つのProResエンジンも搭載しているため、高解像度のコンテンツ処理でも、ビデオのポストプロダクション作業を高速かつスムーズに進めることができるとしている。

なお、Appleは3nmプロセスを採用したこと自体は公表しているが、公には製造委託元を明らかにしていない。Appleが要求するだけの数の3nmプロセス製品を提供できるのはTSMCのみと見られているが、TSMCも従来通り、個別の顧客情報については一切公表しないとしている。

  • M3、M3 Pro、M3 Maxのダイレイアウトとサイズ比較

    M3、M3 Pro、M3 Maxのダイレイアウトとサイズ比較 (出所:Apple)