SEMIがSEMI技術コミュニティのESD Allianceが発行した最新の電子設計市場データ(EDMD)に基づき、2023年第2四半期の電子システム設計(ESD)市場が前年同期比5.3%増の39億6270万ドルとなったことを発表した。

また、直近4四半期をそれまでの4四半期を比較すると9.5%上昇したとするほか、同四半期に同レポートで対象とされた企業は世界中で前年同期比11.8%増、前四半期比2.5%増の5万9160人が従事しているとする。

さらにESD市場をカテゴリ別で見ると、コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)の売上高が前年同期比19.7%増の15億1240万ドルとなったほか、ICフィジカル設計および検証が同14.2%増の6億8900万ドル、プリント基板(PCB)およびマルチチップモジュール(MCM)が同6.3%増の3億6900万ドル、半導体IPが同11.6%減の12億5500万ドル、サービスが同5.2%増の1億3750万ドルとなっており、半導体IPの売り上げのみマイナス成長を記録している。

地域・国別で見ると、米国が同0.6%減の16億2790万ドル、APACが同13.1%増の15億8390万ドル、EMEAが同7.8%増の5億960万ドル、日本が2億4160万ドルとしている。

SEMI EDMDレポートのExecutive SponsorであるWally Rhines氏(元Mentor GraphicsのCEO)は、「2023年第2四半期のEDA市場の伸びは、半導体IPが減速したものの、設計ツールおよびライセンス、そしてメンテナンスが好調で、日本と米国を除いてプラス成長を記録した」と市場背景を説明している。

なおESDは、以前はEDA(Electronic Design Automation)と呼ばれていた分野だが、統計をSEMIのもとで行うようになり名称が変更された。調査を行ったESD Allianceには、世界の代表的ESDサプライヤである26企業が参加しており、その本社所在地による国・地域別内訳は米国18社、中国4社、日本、カナダ、スイス、ベルギーが各1社となっており、日本からは図研が名を連ねている。