SEMI傘下のESD Allianceが、2022年第4四半期の電子設計市場動向を発表した。Electronic System Designは半導体チップ設計を実現するEDA、半導体IP、サービスプロバイダーなど電子設計の総称。

それによると同四半期の売上高は前年同期比11.3%増、前四半期比の38億5870万ドルに達したという。また、直近4四半期とそれ以前の4四半期を比較する4四半期移動平均は12.6%増で、長期増加傾向にあることが示された。

また、併せてESD Allianceの調査対象となった企業群が2022年第4四半期に雇用している従業員数は前年同期比10.3%増、前四半期比2%増の5万6501人と増加傾向になることも示された。

カテゴリ別で売上高を見ると、Computer-Aided Engineering(CAE)が前年同期比6.9%増の12億4420万ドル、IC Physical Design and Verificationが同11.8%増の6億9830万ドル、Printed Circuit Board and Multi-Chip Module(PCB and MCM)が同1.7%増の3億3940万ドル、半導体IP(SIP)が同9.3%増の14億3630万ドル、サービスが同7.1%増の1億4050万ドルとなっている。

これまでの売り上げ推移を振り返ると、従来は、CAEが高いシェアを有していたが、近年、SIPが急速に市場を拡大。2015年にCAEを抜き、トップシェアを獲得するまでに成長している。

  • 1996年以降のカテゴリ別売上高推移

    1996年以降のカテゴリ別売上高推移 (出所:SEMI)

また、売り上げを国・地域別でみると、最大市場は米州で、2022年第4四半期は同8.7%増の17億1450万ドルで市場シェアは44%。次いでアジア太平洋地域(APAC:韓国、中国、台湾、シンガポールほか)で、同17.9%増の13億9750万ドル。市場シェアは36%。3位は欧州・中東・アフリカ(EMEA)で、同4.6%増の5億460万ドル。市場シェアは13%。そして最後が日本で、同8.6%増の2億4210万ドルで、市場シェア6%となっている。ESDを新増設することは電子機器の開発に注力していることを意味しており、その点で考えると日本のシェア6%というのは、海外勢に比べた設計力の弱さを示すものと言えるかもしれない。

  • 2022年第4四半期の電子設計市場

    2022年第4四半期の電子設計市場。左がカテゴリ別、右が地域・国別 (出所:SEMI)