米商務省は10月17日、AIチップの輸出規制を強化する計画を発表した。今回の強化によりNvidia(エヌビディア)やIntel(インテル)などの米国企業は中国市場向けに既存製品を販売したり、新製品の提供が難しくなるという。

今回の規制では、米国の安全保障をの名のもとに、米国企業が販売できる製品と販売できない製品を明確に分類する。

そこでは、エヌビディアとインテルが中国市場向けに開発したものを含め、ハイエンドのAIチップは禁止対象になるという。また「グレーゾーン」の半導体については、政府に届け出を出し、政府に販売の許可を受ける必要があるという。

米商務省長官のGina Raimondo氏は中国に対し「AIや高度なコンピュータへの燃料となり得る高度な半導体へのアクセスを制限する」ことを目標にしていると、10月17日付のWall Street Journalは報じている。

これに加えて、中国と関係がある45カ国も規制の対象にする。2022年10月の規制では、中国企業が国外を経由して米国のAIチップにアクセスできるという抜け穴が指摘されており、それへの対応になるという。新たな規制は30日以内に発効する。

Appleウォッチャーとしても知られるMing-Chi Kuo氏は自身のMediumで、新たな規制強化が各社にもたらす影響を予想している。中国市場におけるAIチップの需要は高く、2024年のAIチップ(Chip on Wafer on Substrate)出荷の15~20%を占めるているという。

新たな強化はエヌビディアにネガティブなインパクトを与えるとの予想を出しているほか、同社は米国におけるL40S GPU販売への制限に対して、緩和策を練っているという情報も紹介している。

最大の損失を受けると予想するのはインテルで、同社のHabana Gaudi 2の顧客が主として中国であるとその理由を分析している。