東京大学(東大)宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設は、岐阜県飛騨市神岡町の地下で進められているハイパーカミオカンデ実験の建設において、10月3日に本体空洞の上部ドーム部分が完成したことを発表した。
2020年に開始されたハイパーカミオカンデ計画は、2021年5月のトンネル掘削を皮切りに順調に建設作業が進行し、2022年11月から本体空洞の掘削を開始。岩盤の安定性を確保しながら上部ドーム部の空間を徐々に広げる作業を行ってきたという。そして今般、直径69m・高さ21mのドーム部が完成したとする。
現在はこの掘削に続き、さらに下の円筒部の掘削を開始しているといい、完成すれば円筒部は直径69m・高さ73mとなる予定。これによりドーム部と合わせると、地下の人工空洞としては世界最大級の大規模空間になるという。
東大による今後の計画では、2024年に円筒水槽部の掘削を進め、翌年には水槽ライナーの建設を行うとのこと。そして2026年に光センサなどの水槽内機器を取り付けたのち、2027年に運転を開始する予定だとしている。