電子情報技術産業協会(JEITA)は9月29日、10月17日から20日にかけて千葉県の幕張メッセで開催する「CEATEC 2023」の概要についての説明会を開催した。
2000年より開催されてきたCEATEC(当時はCEATEC Japan。2019年よりCEATECに変更)。2016年よりそれまでのIT/家電総合展から、CPS/IoT Exhibitionと銘打って方向性を転換し、Society 5.0の実現を目指す展示会として開催されてきた。24回目の開催となる今回は、さらに進化し、「デジタルイノベーションの総合展示会」という位置づけを打ち出した。
開催趣旨は「経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く」というもので、メインテーマは「未来を変える、イノベーター10万人のための共創の場へ」としている。
CEATEC 2023の5つのハイライト
CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、「主催者であるJEITAとタッグを組んで、JEITAのさまざまな組織と連携を取りながら、主催者(JEITA)が目指す日本の社会課題の解決を最新技術の活用により目指そうという姿を示すのがCEATECであるとの考えで今回の開催を目指してきた」と説明。その具体的な姿として以下の5つのハイライトを掲げる。
- 4年ぶり! 展示とコンファレンスをリアル会場にて開催
- 新たな視点での次世代を見据えた展示会
- 共創による価値創出を発信、2年目を迎える「パートナーズパーク」エリア
- パネルディスカッションと特設パビリオンによる政府連携の加速(デジタル田園都市国家構想)
- 新たな「共創」の場を提供するネットワーキングイベントの開催
また、以下の5つのキーワードも掲げている。
- 次世代の社会を具現化するデジタル田園都市構想
- 次世代を実現するための半導体や電子部品という先端技術
- 次世代の人材育成
- 次世代の産業を支えるスタートアップ/研究開発機関の支援
- 次世代の展示会の開催を可能とする持続可能性の提示
前回のCEATEC 2022はコロナ禍を経て3年ぶりにリアルでの展示会開催となったが、展示会以外のコンテンツはオンラインでの視聴など、ハイブリッド方式を採用していたが、CEATEC 2023では展示会場のみならずコンファレンスもリアル会場で実施することが4年ぶりに決定した。「元々の展示会のコンセプトである講演を聞いて、実際の展示物を見に行く、またその逆もできる、というリアル開催ならではの仕組みが4年ぶりに実施できる」(同)とするほか、来場者に学生を含む20代や30代が多いというデータがあり、運営側としてもそうした若い世代、次世代を見据えた展示会にしたいという意識が強いという。
さらに、昨年より展示会場のど真ん中に設置された共創の成果を披露する場「パートナーズパーク」を今年も配置。22のテーマが展示され、合計で130社を超す企業が参加するという。
このほか、CEATEC 2022ではクローズドでの開催であった政府が掲げるデジタル田園都市国家構想に向けたパネルディスカッションを発展させ、今回はパートナーズパーク内に特設展示エリアを用意。地方で進められている最新の課題解決の取り組みなどを講演のみならず、現地の担当者などが会場で、じかにその成果などを来場者に直接披露する場を設けるとしている。
加えて、新たな共創の場の提供として、出展企業と来場者がゆっくりと話し合う機会の創出を目指したネットワーキングイベントを初日から3日間開催するともしている。
展示会場の広さは昨年と同じも出展社数は増加
CEATEC 2023の展示会場は昨年と同じ幕張メッセのホール4~8までを使用するが、出展企業数そのものは前回よりも増加しているという。最終的な出展社/団体数は開催前日の10月16日に発表する予定だというが、2023年9月29日時点で600社/団体以上の参加が確定。そのうち250社/団体以上が新規の参加企業/団体となるという(そのほか、パナソニックのように5年ぶりに参加を決定した復帰組も複数社存在している)。
エリア構成としては、主に電機メーカーなどが最新のソリューションや取り組みを披露する「アドバンスドテクノロジーエリア」、日本のエレクトロニクス産業を支えてきた電子部品企業や半導体企業がソリューションなどを披露する「キーデバイスエリア」、あらゆる産業・業種のパートナーとともにSociety 5.0の未来社会を体現できる「パートナーズトーク」、国内外のスタートアップや研究成果の社会実装を目指す大学・教育機関が集まる「スタートアップ&ユニバーシティエリア」。同エリアは前回の81社/団体から約1.8倍増の140社/団体以上に参加者が激増しているという。そして、米国、カナダ・オンタリオ州、フランス、UAE、台湾、フィンランド、デンマーク、総務省による招聘企画としてのウクライナの8カ国がパビリオンを展開する「グローバルエリア」の5つのエリア(+コンファレンス会場)となっており、展示会場内には大きく4つのステージも用意し、より来場者と出展社の距離を短くする仕掛けが用意されているともする。4つあるステージのうち2つはパートナーズパークに設置されており、うち1つはパートナーズパークの出展者が展示内容を説明する「トークステージ」、もう1つは未来を担う学生や若手のキーパーソンにスポットを当てた「Future-Hub」となっている。3つ目は出展者の展示されている半導体デバイスや電子部品などの紹介を行うキーデバイスエリアの「Tech-Hub」、そしてスタートアップ&ユニバーシティエリアにて、スタートアップや海外企業によるピッチを開催する「ピッチステージ」となっている。
CEATEC AWARDに海外部門が新設
学術的・技術的・市場性や将来性などの観点から、イノベーション性が高く、優れた技術を評価し表彰するアワード「CEATEC AWARD」は13回目となる今年も実施される。
総務大臣賞、経済産業大臣賞、デジタル大臣賞の3つの大臣賞のほか、各部門賞として、アドバンストテクノロジー部門、デバイス部門、スタートアップ部門、コ・クリエイション(共創)部門に加えて、国外からの出展製品やサービスから、特に具体的実現性や社会への貢献性、技術的高さ・世界での市場性等の観点を評価したグローバルエリア部門が新設された。
なお、CEATEC 2023の登録来場者数は4年ぶりのフルリアル開催ということもあり10万人以上を見込んでおり、前回のCEATEC 2022の8万1612人を上回ることが期待されているという。