SEMIは8月15日(米国時間)、TechInsightsと共同して発行している「Semiconductor Manufacturing Monitorレポート」の最新版において、IC市場の減速は緩和してきており、2024年に市場が回復に向かうとの予測を発表した。
それによると、電子機器の売上高は2023年第3四半期に前四半期比10%増を記録する見込みで、中でもメモリICの売上高は2022年第3四半期以降で初となる2桁成長を記録することが予測されるという。
ただし、IDMならびにファブレスメーカーの多くで在庫調整が続いている影響から2023年第3四半期のファブの稼働率自体は、2023年上半期の水準を下回るとするほか、半導体製造装置の販売爆およびシリコンウェハの出荷面積も2023年上半期は安定して推移していたものの、下半期は低調となることが予想されるともしている。この背景として、TechInsightsの市場分析担当ディレクタであるBoris Metodiev氏は、「半導体市場は過去4四半期にわたり急激な落ち込みを見せましたが、製造装置の販売額とファブ建設は予想をはるかに上回る業績を上げています。政府の産業支援が新しいファブ計画をけん引し、高い受注残によって製造装置の販売額は維持されました」と、各国政府が掲げている自国での半導体製造に向けた投資誘致施策が功を奏していることを指摘している。
また、SEMIの市場情報担当シニア・ディレクタを務めるClark Tseng氏は、「需要の回復が予想よりも遅いため、在庫の正常化は当初の予測から2023年末までずれ込むでしょう。しかし、最近の動向はICが最悪の状況を抜けたことを示唆しています。半導体製造は2024年第1四半期に底を打つと予想しています」とコメントしており、半導体産業の市場指標は、2023年上半期末に底を打ち、市場はそこから回復に転じていき、2024年はすべての分野で前年比でプラス成長となり、電子機器の売上高も2022年のピークを上回ることが予測されるとしている。