SEMIは6月13日(米国時間)、最新の300mm Fab Outlookレポートを発行したことを明らかにした。

それによると、300mm対応の半導体前工程ファブの装置投資額は2023年には前年比でマイナス成長となる同18%減の740億ドルとなるものの、2024年以降はプラス成長となり、2024年に同12%増の820億ドル、2025年も同24%増の1019億ドル、そして2026年には同17%増で過去最高となる1188億ドルへと到達すると予測している。ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)や車載アプリケーションが需要をけん引し、併せてメモリの需要喚起も進めることから、2024年以降の3年連続で300mmファブに対する設備投資額は2桁成長が見込まれるとしている。

  • 300mmウェハ対応ファブに対する設備投資額推移予測

    300mmウェハ対応ファブに対する設備投資額推移予測 (出所:SEMI)

また、国・地域別の投資額を見ると、韓国は2023年に157億ドルが予想されるが、2026年にはそこからほぼ倍増となる302億ドルとなることが予想され、世界の300mmファブ装置投資をリードすることが期待されるという。また、台湾は2023年が224億ドル、2026年も238億ドルと微増の予測。中国も2023年が149億ドル、2026年も161億ドルと同じく微増が予測されている。CHIPS法で設備投資意欲が増している米州については、2023年が96億ドル、2026年は188億ドルとほぼ倍増する見込みだという。

さらに、分野別で見ると、ファウンドリは2023年の446億ドルから、2026年には621億ドルへと投資額が増加することが予想されるほか、メモリも2026年には、2023年比で170%増となる429億ドルと拡大が予想されている。そのほか、ロジック分野も投資が増加することが予想されるほか、アナログ向けも2023年の50億ドルから2026年には62億ドルに増加するが、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラ、ディスクリート(主にパワーデバイス)、オプトエレクトロニクスの各分野は2026年までに投資が減少する見込みだとしている。

なお、SEMIのプレジデント兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、「予測される設備投資額の急増は、半導体の旺盛な需要が継続することを裏付けるものであり、ファウンドリとメモリの両分野はこの拡大で大きな役割を果たすことになり、幅広い市場とアプリケーションからの半導体需要があることを示している」と予測の根拠を説明している。