フェローテックホールディングスは7月19日、同社の中国におけるパワー半導体用絶縁放熱基板製造子会社である江蘇富楽華半導体科技(FLH)がマレーシアに新工場を建設することを決議したことを発表した。

同社のパワー半導体事業は電気自動車および太陽光発電を中心とする新エネルギー分野の発展と世界的な自動車のエレクトロニクス化を背景に成長が続いており、世界的な大手顧客企業との長期的な戦略協力関係を構築するなど、顧客側からの長期的発展も期待されているという。こうした中、同社は中国国内において上海、東台、四川と生産拠点を次々と増やすことで顧客からのニーズに応えてきたが、今回、さらなる事業拡大に向け、マレーシア南部に新たな生産拠点を設置することを決定したという。

なお、新工場では工期短縮のために既存工場を買収した上で52億円かけて内装と改造を行うことを予定しており、それによる立ち上げのスピードアップと投資金額の抑制を図るという。製造設備その他に85億円を投資し、2024年9月より操業を開始する予定としている。生産能力 はDCB(Direct Copper Bonding)基板が月産30万枚、AMB(Active Metal Brazing)基板が月産20万枚としている。

マレーシア新工場への設備投資の概要などは以下のとおり。

  • 投資金額:6億9460万元(約137億円、1元=19.71円で計算。以下同様)
  • 建設予定地:マレーシア南部地区柔仏州新山地区
  • 投資内容:工場建屋(建屋総床面積:約3万4000m2)などに2億6500万元(約52億円)、機械設備などに3億900万0000元(約61億円)、その他に1億2000万元(約24億円)
  • 生産能力:DCB基板=30万枚/月、AMB基板=20万枚/月
  • スケジュール:建屋改造設計2023年7月、建屋改造開始2023年9月、機械設備設置開始2024年5月、操業開始予定2024年9月