欧州委員会(EC)委員長のUrsula von der Leyen氏は、ベルギー首相のAlexander De Croo氏やベルギーフランダース地域政府のJan Jambon首相らと7月7日、imecの300mmパイロットラインのクリーンルームを視察した。
imecでは公式SNSにて、「欧州CHIPS法が革新的な半導体技術の研究、設計、製造、検査を刺激することで欧州の半導体エコシステムを強化するために、imecのパイロットラインがどのように貢献できるかをEC委員長らと議論した」と伝えている。それによると、欧州CHIPS法によって欧州の半導体産業発展のために、imecのパイロットラインの有効活用に関する協力要請がなされた模様である。
欧州CHIPS法の施行とimecへの期待
imecで会見に立ったUrsula von der Leyen氏は、欧州CHIPS法の施行にあたるimecへの期待として、「過去10年にわたりECの主力プログラムである『Horizon 2020』、その後の『Horizon Europe』から3億ユーロを超える投資をimecに行ってきた。そして今、欧州CHIPS法が施行されようとしている。ECは欧州を世界的な半導体の研究、設計、テスト、製造のリーダーにしたいと考えている。欧州CHIPS法の正式発効は今秋だが、2022年2月に同法を提案して以来、欧州における900億ユーロを超す民間からの半導体への投資が発表されている。例えば、Intelはポーランドに120億ユーロ、ドイツに300億ユーロを投資するほか、アイルランドへも投資を計画している。欧州CHIPS法は、imecが進める先端半導体研究など、欧州の強みを基盤としており、imecの企業や研究機関とのコラボレーション体制は、世界的なネットワークとなっており、欧州のプレーヤー育成や、信頼できる世界のプレーヤーの誘致にも役立つ」と述べているほか、「半導体はDXとGXへの移行、そして経済にとって不可欠である。欧州の経済は半導体なしでは機能しないことを考えると、半導体サプライチェーンのリスクを積極的に排除する必要があり、それは東アジアへの依存を減らすことを意味する」とし、欧州での半導体設計から製造、テストまで一貫して体制を促進する必要があり、欧州CHIPS法がそのゲームチェンジャーとなり、imecのようなイノベーションの推進者が重要な資産となると強調している。