ノートンは4月6日、サイバー犯罪の実態や個人情報漏洩に対する意識と行動について、日本を含む8カ国、8000人以上の消費者を対象に実施したグローバル調査「ノートン サイバーセーフティ インサイトレポート 2023」の結果を発表した。

  • 調査対象国(8カ国)では2022年にサイバー犯罪に遭った被害者の54%が金銭的被害を受けた経験がある

    調査対象国(8カ国)では2022年にサイバー犯罪に遭った被害者の54%が金銭的被害を受けた経験がある

同レポートは、ハリス・ポールが18歳以上の日本人成人1005人を対象に、2022年11月29日から12月19日に日本国内で実施したオンライン調査に基づく。

調査対象の8カ国では54%がサイバー犯罪を経験し、2022年には39%がサイバー犯罪を経験したと回答した。日本では3人に1人(33%)が「過去に何らかのサイバー犯罪を経験した」と回答し、21%が「過去12ヶ月間に何らかのサイバー犯罪被害に遭った」と回答した。過去12カ月間の被害経験は、2022年に実施した調査と比較すると約140%増加している。

8カ国では2022年にサイバー犯罪に遭った被害者が、問題解決に費やした時間は1人平均6.6時間。被害者の54%がサイバー犯罪によって金銭的被害を受けたという。日本では、2022年にサイバー犯罪の被害者が問題解決に費やした時間は1人平均3.8時間(合計8400万時間)で、被害総額は前年比約330%増の推定1045億円であった。

日本の成人が経験した最も多いサイバー犯罪はフィッシング詐欺(20%)で、次いでコンピュータやモバイル機器のウイルス感染(16%)、恐喝メール詐欺(14%)、モバイル/SMS詐欺(13%)であった。被害額が倍増した理由の1つにフィッシング詐欺が考えられ、2022年を通してフィッシングに関する報告件数が大幅に増え、それに伴い被害額も増えたとみている。また、前年に引き続き、被害人数に対し被害額が大きい「ロマンス詐欺」も考えられるという。有名人などの他人になりすまし、恋愛感情を用いて言葉巧みにお金をだまし取られる被害が、2022年も多数見受けられたという。

個人情報の不正利用被害を受けたことがあると回答したのは、調査対象の8カ国では4%、日本人は3%以上。そのうち31%が外部(銀行やクレジットカード会社)からの通知で被害に遭ったことを知ったと回答。また、26%は自ら被害に気づき、そのうち17%がクレジットカードに覚えのない請求に気づいたことで被害を知ったという。

  • 調査対象国(8カ国)では4%が個人情報の不正利用被害を受けたことがあると回答

    調査対象国(8カ国)では4%が個人情報の不正利用被害を受けたことがあると回答

個人情報が流出したきっかけは、フィッシングメールが42%で最多。次いでSNSアプリやウェブサイト(37%)、フィッシングテキスト(28%)、第三者運営のWEBサイト(22%)であった。

日本の成人の76%が「いつかは自分の個人情報が盗まれると思う」とし、79%が「数年前よりも個人情報の不正利用被害に遭いやすくなっていると感じている」と回答した一方で、「自分の個人情報が流出したかどうかを確認する方法を知らない」(81%)、「不正利用された場合にどのように対処すればいいかわからない」(75%)という回答も非常に多い。

個人情報の流出や不正利用から身を守るために、個人情報はなぜ流出するのか、どのように確認するのか、もし自分の身に降りかかったらどのように対処するのかを知っておく必要があるとし、メールアドレスを含む個人情報のセットが流出したことがあるか、チェックできるWebサイトを紹介している。

  • メールアドレスを含む個人情報のセットが流出したことがあるかをチェックできるWebサイト

    メールアドレスを含む個人情報のセットが流出したことがあるかをチェックできるWebサイト