ノートンライフロックは3月30日、サイバー犯罪の実態や個人情報漏洩に対する意識と行動について、日本を含む10カ国 、1万人以上の消費者を対象に実施したグローバル調査の結果を発表した。
調査を実施したのは、オーストラリア、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、ニュージーランド、イギリス、アメリカの10カ国。
同調査によると、調査対象の10カ国は、過去1年間で推定合計4億1,560万人がサイバー犯罪を経験し、日本では約7人に1人(推定合計1,620万人)が何らかのサイバー犯罪を経験したと回答した。また日本だけで、被害者が問題を解決するために総計4,100万時間以上(平均2.5時間)費やし、総被害額は前年と比べると100億円増加し、約320億円になると推測されている。
さらに、日本の消費者が最も多く経験したサイバー犯罪は、アカウントへの不正アクセス(19%)であることが分かった。そして、約10人に1人が、コンピュータ、Wi-Fiネットワーク、スマホ、タブレット、スマート家電、その他の接続機器に悪意のあるソフトウェア(スパイウェア、ランサムウェア、ウイルス、ワーム、トロイの木馬、アドウェアなど)を検出した(13%)、あるいは個人情報が流出したことを知った(7%)、と報告している。
同社は被害額が増加した理由の一つとして、「ロマンス詐欺」を挙げている。ロマンス詐欺は、被害人数に対し被害額が大きいのが特徴。同社が2月9日に発表した「オンラインでの出会いに関する実態調査」によると、2021年に日本人の約100人に1人がロマンス詐欺の被害に遭ったという。
また、日本人の約10人に1人(10%)が今までに個人情報の不正利用を経験したことがあると回答した。10カ国全体ではでは推定合計8,150万人、日本では推定合計290万人が、2021年の1年間で個人情報の不正利用被害を受けたとみられる。被害を経験したことがある日本人の大多数(83%)が、何らかの影響を受けており、クレジットカードを凍結しなければならなかった(41%)、発生した問題の解決に時間を取られた(37%)というケースが多かった。
さらに、日本の調査対象者の約74%が、「いつかは自分の個人情報が盗まれると思う」と回答し、約70%が「自分の個人情報が盗まれないかとても心配」と答えた。一方で、日本の調査対象者の大多数は、自分の個人情報が流出したことがあるかを確認する方法を知らない(81%)、個人情報が流出したらどうしたらいいかわからない(76%)と答えており、個人情報流出の実情と対策を知る必要があると同社は指摘している。