市場調査会社SDKIが、SiCパワー半導体市場に関する調査を世界中の536社に対して2023年1月に実施、その調査を基にしたレポートを発行したことを発表した。

調査対象企業は536社で、有効回答数も536。調査方法は実地調査が224、インターネット調査が312となっている。各社に対して行った主な質問は以下の通り。

  1. SiCパワー半導体市場の現在および推定の規模はどの程度か?
  2. SiCパワー半導体市場の成長を牽引する主な要因は何か?
  3. SiCパワー半導体市場の成長の抑制要因は何か?
  4. SiCパワー半導体市場の分類
  5. SiCパワー半導体市場の主要なプレーヤは?
  6. SiCパワー半導体市場で有利な成長機会を提供すると予想される地域は?

1番に対する主な回答としては、2022年のSiCパワー半導体市場は13億ドル、2021年から2026年の年平均成長率(CAGR)は約25%成長すると予想されており、2035年までに50億ドルまで拡大することが予想される。

2番に対する主な回答としては、「エネルギー効率のためのSiC半導体の採用」、「商業/産業アプリケーションにおけるSiCパワー半導体の浸透の拡大」、「軍事用途でのSiC半導体の使用の増加」、「ミサイル用途におけるSiCパワー半導体の使用の増加」などが挙げられている。

  • SiCパワー半導体市場の成長要因

    SiCパワー半導体市場の成長要因

3番に対する主な回答としては、「SiC半導体には、従来の半導体に比べて高い投資が必要」、「均質なSiC基板における高い熱伝導率による制限」となっている。

4番に対する主な回答としては、デバイスとしてはディスクリート、ベアダイ、モジュール。アプリケーションとしては、ハイブリッド/電気自動車、太陽電池のインバータ、鉄道、風車、電源、モータードライブ、サーバ、その他(医用画像、充電器、アダプターなど)などが挙げられている。

  • SiCパワー半導体の最終用途別産業分類

    SiCパワー半導体の最終用途別産業分類

5番に対する主な回答としては、Infineon Technologies、Texas Instruments(TI)、STMicroelectronics、日立パワーデバイス、NXP Semiconductors、富士電機、Semikron International、Wolfspeed(Cree)、onsemi、三菱電機などが挙げられている。

6番に対する主な回答としては、アジア太平洋地域がほかの地域よりも進んでいるという認識で、中国、台湾、日本、韓国を合わせると世界のディスクリート半導体市場の約65%を占める規模で、さらにタイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどもSiCパワー半導体市場が成長しているという。また、中国ならびに日本の政府は、SiC半導体の研究開発への支援を推進しているとする。北米ならびに欧州はそれぞれ2番目と3番目の市場規模であり、今後10年間で大きな成長のチャンスがあると予測されている。