既報の通り、Intelは米国時間の2月15日にXeon W-3400/W-2400シリーズとして15製品を発表した。先の記事で大まかには説明されているので、若干の補足情報をお伝えしたい。

そもそもXeon W-3400/W-2400シリーズが投入される事そのものは1月10日のXeon Scalable/Xeon MAXのオンライン発表会の際に公開されており、この際にw9/w7/w5という3つのサブカテゴリに分類される事も明らかになっていた。

Xeon W-2400シリーズの一覧を表1に、W-3400シリーズの一覧を表2にそれぞれ示す。

  • Xeon W-2400シリーズの一覧

    表1 Xeon W-2400シリーズの一覧

  • Xeon W-3400シリーズの一覧

    表2 Xeon W-3400シリーズの一覧

基本的な構成として、

  • W-2400シリーズ:MCCコアを利用し、メモリは4ch、PCIeは64Lane。一部のSKUはDDR5-4400までの対応だが、基本はDDR5-4800対応。最大メモリ容量は2TB。TDP(Processor Base Power)は120~225Wと比較的控えめ。
  • W-3400シリーズ:XCCコアを利用し、メモリは8ch、PCIeは112Lane。すべてDDR5-4800対応で、最大メモリ容量は4TB。TDPは270~350W。

となる。共通する項目としては、

  • 1 Socket Only。2 Socketモデルはなし。これに伴いUPI Linkはすべて無効化。
  • メモリはECC対応。ただしOptane Persistent Memoryのサポートは無し。HBM搭載モデルもなし。
  • AMXはすべてのモデルで2ユニットが利用できる。ただしアクセラレータはDSA(Data Streaming Accelerator)が1基のみ有効化され、QAT/DLB/IAAなどは無効化。
  • vPro Enterpriseが有効化。またAMTも有効化されている。ただしTDT(Threat Detection Technology)/RPE(Remote Platform Erase)/One-Click Recovery/QuickAssist Software Accelerationなどの機能はなし。

といったところである。

ちなみにリリースにもあるが、出荷そのものは3月に入ってからの予定である。また何故か価格がIntel Arkに上がっていないが、リリースによれば一番安価なXeon w3-2423が359ドル、一番高価なXeon w9-3495Xが5,889ドルとなっている。

そんな訳で基本的には第4世代Xeon Scalableのサブセットといった格好であるが、異なるのがOC設定である。Xが付いたモデルがいくつかある事からも判るように、倍率ロックが外れたモデルが搭載されており、これに合わせてDDR5 XMP 3.0 RDIMM(つまりXMP 3.0プロファイルを持つRegistered DIMM)も用意されるらしい。UDIMM(Unbuffered DIMM)利用の可否はIntel Arkを見る限りは判断できない(ECC Memory SupportedがYesとあるだけ)だが、Block Diagramを見る限りはRDIMM専用に思える。

そのBlock Diagramがこちら(Photo01,02)。W790チップセットが用意され、こちらを利用する形になる。

  • Xeon W-3400シリーズの場合

    Photo01:Xeon W-3400シリーズの場合。CPUから112 LaneのPCIeが出ることになる

  • Xeon W-2400シリーズの場合

    Photo02:Xeon W-2400シリーズの場合。CPUから64 LaneのPCIeが出るのと、メモリが4chな以外は差は無し

とりあえずこれでやっとAMDのThreadRipper 5000WXへの対抗馬をラインナップする事が出来た格好ではあるが、すでにこの時点で半年以上の遅れであり、またAMDも近いうちにZen 4ベースのThreadripperを投入すると見られている訳で、なかなか前途は多難そうである。とりあえず今のところはまだ搭載製品や対応マザーボードなどのアナウンスも無いが、このあたりは3月に入ったら色々動きが出てくるであろう。