米国半導体工業会(SIA)とインド電子半導体工業会(IESA)は1月31日(米国時間)、世界の半導体エコシステムにおける両国間の協力を強化するためのタスクフォースを立ち上げることを共同で発表した。

タスクフォースの具体的な目標は、以下のようなものとしている。

  • インドの半導体エコシステムに関する「準備状況評価」手法を開発
  • 業界、政府、および学術関係者を集めて、短期的な半導体業界の機会を特定するとともに、半導体エコシステムの長期的な戦略的開発を促進
  • 半導体チップ製造を含む世界の半導体バリューチェーン内でのインドの役割を高めるための機会と課題について提言
  • 両国に利益をもたらす労働力開発と人材交流の機会を設定

SIAのプレジデント兼CEOであるJohn Neuffer氏は、「インドはすでに半導体研究、チップ設計、および装置開発の主要なハブであるが、将来の可能性はさらに大きくなっている。このタスクフォースは、世界のチップエコシステム内で米国とインドの間の協力を強化することに役立つ」と述べている。

一方のIESAのプレジデント兼CEOであるKrishna Moorthy(クリシュナ・ムーシー)氏は、「IESAは、SIAと協力してこの新しいタスクフォースに参加できることにわくわくしている。これは、世界のリソースを結集して、インドが世界の半導体チップ業界でのプレゼンスを高めるための実行可能な計画を設定し、設計および製造サプライチェーンのすべてのセグメントにわたって計画を実行するためのグローバルなコラボレーションを可能にする重要なプラットフォームとなるだろう。もちろん、世界に貢献するための半導体の才能を生み出すことにも貢献するだろう」と述べている。

今回の発表と並行する形で米国商務省のRaimondo長官や米国国家安全保障問題担当大統領補佐官のSallivan氏、インド国家安全保障問題担当首相補佐官が主導して、「重要技術と新興技術に関する米国・インドイニシアチブ」に関する会議が2月1日(米国時間)にワシントンD.C.で開催されており、会議の席にてSIAのJohn Neuffer氏が「インドにおける半導体の役割」と題するパネル討論の司会を務め、今後の成長が期待されるインド半導体産業の将来性について議論を交わした模様である。

中国に対抗する目的でインド太平洋経済枠組み(IPEF)という経済圏構想が米バイデン大統領主導で発足したのに合わせて、SIAは、半導体設計だけではなく、半導体製造にも乗り出しそうとしているインドの半導体産業団体とも結びつきを深めようとしているように見える。