TSMCが12月29日に台南市のSouthern Taiwan Science Park(STSP)にある最先端半導体工場Fab 18にて、3nmプロセス(N3)を採用したロジック半導体の商用量産開始および工場の拡張を記念する式典を開催すると複数の台湾メディアが報じている。

  • TSMC Fab 18

    Fab 18の外観 (提供:TSMC)

Fab 18は5nmプロセス(N5)とN3の生産拠点であり、第4フェ―ズまでがN5、第5フェーズから第9フェーズまでがN3の生産拠点となっている。

報道によると式典にてN3の生産計画についての詳細が語られる予定だという。TSMCは、米国や日本に工場を進出させており、欧州ドイツへの進出も検討していると伝えられており、台湾国内には「脱台湾」(台湾の空洞化)を心配する向きがあるため、最先端技術は引き続き台湾にとどめることを宣言して、そうした懸念を解消しようとしていると台湾業界関係者は見ている。

TSMCのN3プロセスの最初の顧客はAppleであるが、N3の強化版であるN3Eが利用可能になるまで、TSMCが3nmチップの生産量を大幅に増加させることはないだろうと、情報筋はみており、結果として2023年における3nmプロセスが売り上げに占める割合は全体の4~6%程度に抑えられると予想している。

なお、TSMCはより微細な2nmプロセス(N2)のリスク生産を2024年より開始し、その後2025年に商用生産(量産)に移行することを計画している。このN2では、TSMCとしては初めてナノシートベースのGAA(Gate-All-Around)技術が採用される予定である。