米国の半導体市場調査及びコンサルティング会社であるSemiconductor Intelligenceが、2022年第3四半期の半導体企業売上高トップ15社をまとめ、発表した。
WSTS(世界半導体市場統計)によると、2022年第3四半期の半導体市場は、前四半期比6.3%減となった。第4四半期の見通しに基づくと、2022年下半期は上半期比で10%以上の減少となる見込みで、2009年上半期に記録した前半期比21%減に続く規模の下げ幅になるという。
2022年第3四半期のトップ15社の実績はまちまち
2022年第3四半期における半導体売上高トップ15社を見ると、15社中9社が前四半期比でプラス成長。成長率トップはInfineon Technologiesの前四半期比15%増となっている。しかし、2022年第4四半期の売上高については、すでにメモリ各社が厳しい見通しを出すなど、マイナス成長を予測する企業が多い。例えばMicronのガイダンスでは、第4四半期を36%減とし、ウェハ投入量も2割削減を決定した。キオクシアも、ウェハ投入を約3割削減する予定としている。メモリ以外の企業でもQualcomm、Texas Instruments(TI)、MediaTekは2桁のマイナス成長を予想するなど、多くの企業が、全体的な需要の弱さと顧客による在庫調整が、厳しい見通しの原因であると説明している。
Semiconductor Intelligenceでは、車載半導体が唯一の健全なセグメントであると指摘しており、TI、STMicroelectronics、Infineon、NXP Semiconductorsの4社はいずれも、自動車セクターの成長が他のセクターの下落の大部分または部分的に相殺するとしている。
ちなみに2022年第4四半期のガイダンスを公表しているのはトップ15社中10社で、NVIDIAの1.2%増とSTMicroelectronicsの1.8%増以外はいずれもマイナス成長としており、ガイダンス公表10社のうち、Micronを除いた非メモリ企業9社とした場合の売上高の加重平均の変化は、前四半期比9%減と計算されるという。
2023年はマイナス成長の年に
2022年1月の時点で、半導体市場調査会社各社は2022年の半導体市場を各社プラス成長との見通しを示していたが、現在、2023年の見通しについては、各社ともにマイナス成長の見通しを示している。
Semiconductor Intelligenceも2023年に前年比14%減との予測を示しているが、この下落率は2001年に記録した同32%減以来の最大の減少率としている。過去50年間において、半導体市場が2桁のマイナス成長となったのは、1975年、1985年、2001年の3年だけ。同社のBill Jewell社長は、14%減という予測は次の仮定に基づいているとしている。
- 在庫調整は、今後2~3四半期で解決される
- PCとスマートフォンは2023年半ばまでにパンデミック前のトレンドに戻る
- 2022年または2023年に世界的な景気後退はない
上記の仮定のいずれかが実現しない場合、半導体不況は2023年の年間を通じて続き、通年で20%以上のマイナス成長となる可能性があるともしている。