世界的なガスサプライヤである仏Air Liquideは、台湾に新たに3つの工場を建設し、台湾の大手半導体メーカー2社の最先端ファブ向けに、長期契約の枠組みに沿う形で超高純度ガスの供給を行うことを発表した。

Air Liquideと台Far Eastern Group(遠東集団)の合弁であるAir Liquide Far Easternが、これらの最先端の高純度ガス製造施設建設に合計約5億ユーロを投資する予定だという。

今回の投資についてAir Liquideは、将来の重要な分野であるエレクトロニクスの発展に貢献する投資であり、グループの戦略計画「ADVANCE」に沿ったものだと説明している。

新プラントは、顧客の製造現場近くに設置され、合計で年間最大20億Nm3の超高純度窒素、酸素、アルゴンを製造する計画で、最初のプラントは2024年の稼働開始を予定している。

これらの投資により、Air Liquideは台湾でのプレゼンスを強化し、エレクトロニクス業界の長期にわたる主要企業2社とのパートナーシップを強化するとしている。また、Air Liquide Far Easternは、すでに2019年から 2021年の間に台湾に対して4億ユーロ以上を投資を実行しており、超高純度ガスの提供を開始済み。今回の投資と合わせれば、同社は2019年以降、合計9億ユーロを台湾に投じることになるという。

  • 超高純度ガス製造施設

    Air Liquide Far Easternの台湾における既設の超高純度ガス製造施設 (出所:Air Liquide)

なお、Air Liquideグループのエグゼクティブ・コミッティのアジア太平洋担当メンバーであるフランソワ・アブリアル氏は、「30年以上にわたりパートナーであるこれらの半導体企業との協力関係をさらに強化できることを嬉しく思う。これらの半導体企業との長期契約は、当社の能力に対する顧客の信頼を示している」と述べている。