国際刑事警察機構(ICPO: International Criminal Police Organization)は9月5日(米国時間)、「Asia: Sextortion ring dismantled by police」において、国際的なセクストーション組織を解体したと伝えた。ICPOが支援する国際的な警察活動により、被害者から少なくとも47,000米ドルを盗んだ国際的なサイバー犯罪者グループを摘発したと伝えている。

  • Asia: Sextortion ring dismantled by police

    Asia: Sextortion ring dismantled by police

セクストーションとは、恥ずかしい写真やビデオを公開すると脅して被害者を脅迫するサイバー犯罪の一種。国際刑事警察機構は近年、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響によるサイバー犯罪の増加とともに、世界中でセクストーションの被害が急増していると報告している。

摘発された組織は、主に香港とシンガポールに住んでいる被害者を標的にしており、オンラインを通じて連絡を取り、ハイパーリンクを介して悪意のあるモバイルアプリケーションをダウンロードさせ、恥ずかしい写真やビデオを撮るよう求めるという。このモバイルアプリは携帯電話から連絡先を窃取するよう設計されており、被害者から窃取した連絡先をもとに写真を親戚や友人に流すと脅迫したという。

この犯罪者グループはこれまでのところ、34件の性的搾取事件に関わったとされている。また、国際刑事警察機構は香港およびシンガポールの警察と協力し、悪意のあるモバイルアプリをホストしているコマンド&コントロール(C2: Command and Control)サーバの積極的な調査と詳細な分析を実施。この組織に関連する個人を特定し、7月から8月にかけて中核メンバーとして疑われる12人の逮捕に成功している。

国際刑事警察機構は知らないリンクや親密な写真やビデオを誰かに送るなど、たった1回のクリックだけででサイバー犯罪の被害に遭う可能性があると警告している。セクストーションなどのサイバー犯罪の被害者とならないよう、適切な対応を行うことが望まれている。