IC Insightsの最新調査によると、2022年の半導体設備投資総額は 前年比21%増の1855億ドルと予測されるという。

同社は2022年初頭に同24%増の1904億ドルという予測を出していたが、それと比べるとやや下方修正となる。しかし、予測が引き下げられたとはいえ、依然として過去最高水準の設備投資額であり、実際に2022年の設備投資額が予測どおりの成長率となった場合、1993年から1995年にかけて記録して以来の3年連続の2桁のプラス成長になるという。

  • 半導体設備投資総額の推移と前年比増減率

    半導体設備投資総額の推移と前年比増減率。タイトルの2008-2026Fは、2008-2022Fの誤りと思われる (出所:IC Insights)

同社の最新予測をもとにした2021年および2022年の2年間の半導体設備投資総額は3386億ドルと予想される。多くのIDMのウェハファブの稼働率は、2022年上半期までは90%を超す水準で稼働していたほか、多くのファウンドリも100%近い稼働率で推移していたこともあり、IDMとファウンドリは、最先端プロセス技術で構築されたロジックおよびメモリデバイスの製造能力の増加に向けた投資を行ってきたほか、パワー半導体、アナログIC、各種マイコンなど、それ以外の半導体チップも強い需要にともなる継続的な不足から、サプライヤ各社はそうしたレガシープロセスの半導体製品の製造能力の増強も進めてきた。

こうした動きは前向きなニュースであるものの、最近の急激なインフレと世界経済の急減速により、半導体メーカー各社ともに、積極的な拡大計画の見直しに迫られるようになってきており、すでに一部のメモリメーカーなどでは、2022年の設備投資予算の削減を公表している。また、多くのサプライヤからは、経済成長速度の鈍化に直面し、設備投資はピークを迎えており、2023年は設備投資の削減が予想されるとの声がでているという。