アステリア、サイボウズ、船井総研デジタル、INDUSTRIAL-X、シムトップス、セゾン情報システムズ、ウイングアーク1stの7社は8月31日、ノーコードによるソフトウェア文化の変革を目的に9月1日にノーコード推進協会を設立すると発表した。

ノーコードとは、テキストによるソースコードの記述をせずにアプリケーションやWeb サービスなどの開発が可能なことを指す。これまで、システム開発はプログラミング言語を理解しているエンジニアが行ってきたが、エンジニアは世界中で不足しており、そのため企業はシステム構築が進んでいないと言われている。

そこで、ノーコードツールを活用すれば、プログラミング言語や IT スキルのない人でも比較的安価かつスピーディにシステム開発が可能になり、DXのスピードも上がるのではないかと、注目が高まっている。

代表理事の中山五輪男氏(アステリア CXO)は、「企業では現在、『デジタル人材がいない』『求人広告を出してもデジタル人材を獲得できない』『デジタル人材が入社してくれたが転職されてしまう』といった課題がある。そうした中、中堅中小企業にあったDX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方があり、そのカギとなるのがノーコードだ。ノーコードこそが日本を救う」と、ノーコードが日本企業のDXのドライバーとなることをアピールした。

  • ノーコード推進協会 代表理事 中山五輪男氏

また、中山氏は「デジタル人材がいない日本の企業はシステム開発を外部の企業に丸投げするしかない現状がある。しかし、その思考を変えなくてはいけない。ノーコード志向によってDXを進めていく必要がある」と語った。

同協会のビジョンは、「ノーコードで日本におけるソフトウェア文化を変革する」だ。同協会は、「ノーコード思考」を国内に広めていくことで、日本のソフトウェア文化を大きく変え、日本を強いデジタル国家にして世界をリードすることを目指している。

同協会は「情報共有」「普及啓発」「領域拡大」を針として、活動を行っていく。具体的な活動としては、「ノーコード白書や書籍の出版」「日本ノーコード大賞の開催」「ノーコードカオスマップ制作」「ノーコード関連用語標準化」などが計画されている。

  • ノーコード推進協会の活動プラン

ちなみに、以下が同協会のロゴだが、ベースコンテンツとしてトライアングルが採用されている。その背景には、ノーコードツールを提供するベンダー企業、ノーコードを広く広める役割を持つ販売パートナー企業やメディア企業、ノーコードツールを利用するユーザー企業の3者が互いに強く結びついていくことを表しているそうだ。

  • ノーコード推進協会のロゴ

説明会には、副代表理事を務める青野慶久氏(サイボウズ代表取締役社長)も参加し、以下のように語った。

  • ,ノーコード推進協会 副代表理事 青野慶久氏

「ノーコード推進協会の立ち上げは悲願だった。日本はデジタル人材の絶対数が少ないにもかかわらず、ユーザー側におらず、業者側にいる。そのため、ユーザー企業はシステム開発を外部に丸投げするしかないが、それではいいシステムができないし、効率も上がらない。発想を変えると デジタル人材以外の人はいるということ。日本は長期雇用なので、現場に詳しい人が欧米よりも多い。また、女性も活躍していると語った。現場でがんばっている人にノーコードツールを与えることが日本型DXとなり、これにより、大量のアプリが作られるはず」

青野氏は、ソフトウェア開発のトレンドにおいて、一緒に語れることが多いノーコードとローコードについても言及した。

「日本はノーコードに集中したほうがいいと思う。飽き足らなくなった人がローコードにシフトしていき、その結果、高度なデジタル人材も増えていくというのが私の見立て。中小企業にとって即効性のある処方箋はノーコード」

しかし、ノーコードの導入が進むことで、社内に「野良アプリ」が増えるのではないかという危惧もある。その点について、青野氏は「クラウド時代は、ガバナンスを利かせることができるので、端末やアプリが管理しきれなくなることはない。ガイドラインを作ることで、成功している大企業が生まれている。ガイドラインを作れば、現場の力を活用して、全体最適なシステムを作ることが可能」と説明した。

スイスのビジネススクールIMDが公表した「世界デジタル競争力ランキング」において、日本の総合順位は64カ国・地域のうち28位と世界に後れをとっている。しかし、青野氏は「ノーコードによって、欧米を一気に追い越して、 リープフロッグを実現できるのではないだろうか。『日本総デジタル人材』を目指す」と、力強く語っていた。