ASMLが発表した2022年第2四半期の決算概要によると、売上高は前年同期比35%増、前四半期比54%増の54億ユーロとなったという。また、同四半期の受注金額は85億ユーロで、四半期ベースの過去最高額を更新したという。この受注額のうちEUV露光装置(高NA EUV露光装置を含む)が54億ユーロほどだという。

また同社によると、2022年第3四半期の売上高ガイダンスを51億~54億ユーロとしているほか、通年の売上高についても、従来の約20%ほどの成長予測を約10%ほどの成長に下方修正している。

その理由について、ASMLは、第1四半期のEUV販売台数(顧客の検収が完了し入金のあった分)は3台であったが、第2四半期は12台に増えたことから売上高が大きく増加するなど、高額なEUV露光装置の売り上げ(検収後の代金受領額)に大きく依存している。2022年は、生産能力の限界である55台のEUV露光装置の出荷が予定されているが、ほとんどの顧客は、一刻も早く装置を入手したがっており、最終検査をスキップしてもよいから迅速な出荷を行うことを要求している。そのため、本来行っていたASML本社工場でのテストの一部をスキップして出荷し、最終テストを客先で行うことになってしまい、正式な顧客の受け入れまで相当な時間を要することとなり、結果として検収完了が延期されがちで、年内に見込んでいた売り上げを計上することが難しいため、通年見通しを減らす結果となったとしている。

なお、EUV High-NA事業では、最初のHigh-NAメカニカルプロジェクション光学系とイルミネータ、および新しいウェハステージをサプライヤから受領したとのことで、これらのモジュールは、EUV試作機であるEXE:5000プログラムの重要なステップである初期テストに使用されるという。