米国での半導体材料の製造は補助金支給の対象になるのか?

米国は現在、半導体の国内サプライチェーン整備に向け520億ドルの補助金支給などを盛り込んだ法案(CHIPS法)の最終的な可決に向けて取り組んでいるが、最終的な可決のめどは立っていない。

その一方で半導体材料業界からは、「材料の生産と研究開発はCHIPS法の補助金支給の対象になるのか?」という疑問が出ているという。これは、米国の政策立案者と、半導体技術と製造における米国の立場を強化するために必要なものと不要なものの解釈に依存すると見られており、現在、材料メーカーが、米国の材料生産者たちは、CHIPS法の資金提供の重要性について政策立案者に個々別々に、米国でのプラント建設は補助金なしでは立ちいかないことを訴えているという。

その一方で、CHIPS法が成立したとしても、米国内に工場を新設する半導体メーカー、装置メーカー、材料メーカーなど、関連企業のすべてで分けあうと、1社あたりに支給される補助金の額が減ることが懸念される。先般、米国にシリコンウェハ製造工場の拡張を決定したGlobalWafersも、米国政府からの補助金支給が前提での投資決定であると明言している。

なお、日本の場合、多数の半導体関連企業に向けてBeyond 5G基盤整備やサプライチェーン強靭化など、さまざまな方向性から補助金が別々に支給され、今後も補正予算なども含め、支給される見込みであり、米国の総額520億ドル、日本の都度の補助金の額に差がありすぎるという比較はあまり意味をなさないことに注意が必要である。