2021年の中国国内でのIC生産額(中国に進出している外資系企業の生産額を含む)は312億ドルで、中国でのIC消費規模(1865億ドル)の16.7%を占めたとの調査結果を半導体市場動向調査会社であるIC Insightが発表した。10年前の2011年のシェアは12.7%であったという。
また、このシェアは、今後年平均成長率0.9%で成長が続き、2026年には21.2%に達するともしているが、中国政府は「中国製造2025」プロジェクトを推進し、2025年に中国市場の70%を中国製半導体にすることを目標に掲げてきたこともあり、その進捗は遅々としているともIC Insightsは指摘している。もっとも最近は、中国政府自身も「中国製造2025」の表現をさけるようになってきている。米中貿易紛争の元凶となっているうえに目標達成の難しさが見えてきたからであろう。
2021年に中国で製造された312億ドル相当のICのうち、中国に本社を置く中国資本の企業は39%にあたる123億ドル相当を生産したが、これは、1865億ドル規模の中国IC市場規模の6.6%ほどとなる。残りの61%はTSMC、SK Hynix、Samsung、Intel、UMC、および中国にICウェハファブを持っている他の外国企業が生産したこととなる。IC Insightsは、中国資本の企業が製造したICの123億ドルのうち、約27億ドルがIDMからのものであり、96億ドルがSMICのような専業ファウンドリからのものであると推定している。中国は2005年以来ICの世界最大の消費国となっているが、中国国内でのIC生産の大幅な増加は期待できないとIC Insightsはかねがね主張してきた。
なお、IC Insightsが予測するように、中国国内でのIC製造が2026年に582億ドルに増加した場合でも、そのIC生産額は、2026年に予測される世界のIC市場規模である7177億ドルの8.1%にすぎない。