Qorvoは5月20日オンラインで新製品発表会を行い、電気自動車(EV)用車載充電器などに向けUnited SiCの第4世代技術を採用した1200V SiC FET製品「UF4C/SFシリーズ」を発表した。

United SiCは1999年に米ラトガース大学の研究者たちに設立されたSiCパワーデバイスの設計・開発企業。2021年にQorvoによって買収されて以降は、同社のパワーデバイスソリューション部門として製品開発を継続してきた。

United SiCは、第4世代製品として2021年秋に750V品の発表をしており、今回発表されたのは同世代技術を採用した1200V対応品となる。開発の背景には、EVをはじめとするさまざまな産業機器の大電力化があるという。特にEV領域では従来の電池電圧400Vから800Vへと高める動きが広がっており、それにともなって予想されるさらなる需要拡大に合わせて開発されたという。

  • 今回発表された新製品の活用イメージ

    今回発表された新製品の活用イメージ(資料提供:Qorvo)

UF4C/SFシリーズは、23mΩ、30mΩ、53mΩ、70mΩの4種類のオン抵抗(RDS(on))オプションを持ち、いずれも業界標準のTO-247-3LパッケージおよびTO-247-4Lパッケージで提供される。

また、第4世代技術により、ダイサイズが縮小され、それにより第3世代製品に比べRDS(on)×面積が40%削減されたとするほか、スイッチング損失も30%削減されるなど、さまざまな性能改善を図ることに成功したという。

さらに、ダイサイズが小さくなることによって求められる熱性能の向上に対しては、銀焼却によるダイアタッチを行うことで高い熱性能を実装したとのことだ。

なお、UF4C/SFシリーズは、無料のオンライン設計ツール「FET-Jet Calculator」を利用することで、任意の状況で使用した場合のデバイスの効率や熱損失などを評価することができるという。

  • 競合製品との性能比較

    競合製品との性能比較(資料提供:Qorvo)