Touch Taiwan 2022が4月27-29日の3日間、台北の南港展覧館で開催された。台湾でも新型コロナ オミクロン株による感染が急拡大する中ながら、台湾パネルメーカーを中心にした最先端ディスプレイ製品のホットな状況を見ることができた(図1)。
ディスプレイ製品とその応用分野は年々拡大しており、今年の展示会でのキーワードを挙げると、ゲーミング用途、曲面ディスプレイ、大画面LEDスクリーン、ミニLEDバックライト、直視型マイクロLED、スマートウオッチ用途、AR/MRグラス用マイクロLED、フレキシブルLEDスクリーン、透明LEDスクリーン、車載HUD(ヘッドアップディスプレイ)、医療用途、公共用途、反射型などなどときりがない。その中でも代表的な物をいくつか紹介する。
ディスプレイのアプリケーションで近年ニーズが高まっているのがゲーミング用途である。昨年のTouch Taiwan 2021では、ミニLEDバックライトを搭載したLCDモニターが数多く出展された。ミニLEDバックライトとQD(量子ドット)色変換シートを搭載して、高コントラストと広色域を実現したゲーム用の高級モニターがすでに市場に出回っている。今年の目玉は、ゲーミング用途でより臨場感を高めるために、大画面の曲面LEDスクリーンで、高速応答や高輝度を実現したものがデモされた(図2)。
大画面LEDスクリーンも年々進化
マイクロLEDが注目されて数年になる。この間、多くの企業がさまざまなアイデアを出しながら製造方法の確立や性能向上に取り組んでいる。中でも最適なアプリケーションを模索する動きが重要であり、最近見えてきたのがタイリング技術による大画面スクリーンである。市場ではすでにサイネージ用途の巨大なLEDスクリーンを街中で頻繁に見かける様になってきた。これらのLEDは従来技術のパッケージLEDがほとんどであるが、今後ミニLEDやマイクロLEDを搭載し、よりきめの細かい表示ができるLEDスクリーンが出回るようになってくるだろう。今年のTouch Taiwanでも、年々進化するサイネージ用途の大画面LEDディスプレイを見ることができた(図3)。
左下のPlayNitrideは、ブース入り口の上部に132型のマイクロLEDスクリーンを掲示した。
240×192画素のマイクロLEDのユニットを横32枚・縦6枚・合計192枚タイリングしたものである。右下のPanel Semiは、フィルム基板上に4in1パッケージLEDを並べたユニットをタイリングで110型サイズに貼り合わせたフレキシブルLEDスクリーンである。巻き取りもできる。
この他にも、透明LEDスクリーン、ウォッチ型マイクロLED、AR/MR用の超小型マイクロLEDディスプレイなどさまざまな展示があり、台湾がLED分野で積極的に動いている様子を今回の展示会にて目の当たりにすることができた。