Lam Researchは4月20日(米国時間)、2022年第1四半期の業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比5.8%増、前四半期比3.9%減の40.6億ドル、純利益は、10.2億ドルとなり前年同期の10.7億ドル、前四半期の11.95億ドルよりも減少した。

利益減少の背景にグローバルサプライチェーンの混乱

直近の利益減少について、Lam ResearchのCEOであるTim Arche氏は、「2022年第1四半期は、新型コロナの感染拡大の影響、労働力の不足、貨物とロジスティクスコストの上昇、およびサプライチェーンの混乱や制約の影響を受けた。2022年年初の数週間を見ると、変異株(オミクロン株)の感染者の急増により、供給課題が拡大し、貨物およびロジスティクスが混乱し、熟練労働者の不足がさらにひどくなった。また、半導体製造装置の生産に必要な半導体を含む特定コンポーネントや部品の供給不足に直面し続けた。こうしたグローバルサプライチェーンの混乱の結果、同四半期の収益レベルは制限を受けることとなった」と説明している。

競合他社も中国都市封鎖やウクライナ危機で利益減少の可能性

ちなみに、Lamと同じ半導体製造装置メーカーであるASMLの2022年第1四半期の純利益は6.95億ユーロであったが、これも前四半期の18億ユーロ、前年同期の13億ユーロの純利益と比べると低い水準となる。この理由についてASMLは、Lamとほぼ同じ言い訳をしている。米国証券関係者は、今後業績発表が予定されているApplied Materials(AMAT)はじめ多くの半導体製造装置メーカーの利益も減少傾向になるとみている。新型コロナ変異株のまん延によって中国主要各都市のロックダウンが続く中、ロシアのウクライナ侵攻が長期化すれば、世界的なサプライチェーンの混乱が加速するだけでなく、世界の分断につながり、半導体はじめ部品調達もままならなくなるほか、エネルギー価格の高騰による製造コストや輸送費の急騰も重なり、ますます利益を圧迫することが懸念される。