STMicroelectronicsは、車載ドア・ゾーン・システムIC「L99DZ200G」に電動トランク/テイルゲート開閉機能を追加したことを発表した。
同製品は、フロント・ドア・ウィンドウ、ミラー、照明、リア・ウィンドウ・リフトを制御するフロント・ドライブ・リアを1チップで実現するもので、2つのハーフブリッジ・ゲート・ドライバ、ミラー・ヒータを制御する外部MOSFET用のゲート・ドライバ、エレクトロクロミック・ミラー調光用の制御ブロックおよびハイサイド・ドライバ、5つのLEDハイサイド・ドライバを搭載している。また、5つのLEDハイサイド・ドライバのうち、3つは定電流モードで動作可能で、入力容量の高い照明モジュールに給電することができるほか、残り2つのハイサイド・ドライバは、通常のLED制御に適していると同社では説明している。
また、2つのハーフブリッジ・ゲート・ドライバによって2つのスピンドル・モータを同時に制御するとともに、電動トランクやテイルゲートを閉じるためのシンチ・モータも制御可能だとしているほか、いずれのドライバもジェネレータ・モードで動作可能で、両方のローサイドMOSFETを同時にオンにすることで、電源で過電圧が検知された場合に機器を保護することができるとしている。
さらに、2つの5V低ドロップアウト・レギュレータを搭載しているため、ホスト・マイクロコントローラとペリフェラルのパワー・マネージメントが可能だとするほか、制御および通信接続には、LIN 2.2a(SAEJ2602、SAE J2962-1)トランシーバ、高速CAN(HS-CAN、ISO 11898-2:2003/-5:2007、SAE J2284、SAE J2962-2)トランシーバ、およびSPI 4.0インタフェースが含まれているとしている。
加えて、温度モニタリングおよび過熱保護、外部ハイサイドMOSFETのゲートをオフにする専用フェールセーフ・ブロック、すべての出力のオープン負荷および過電流検出といった診断・保護機能も搭載されているとするほか、各ハイサイド・チャネルに1本の電流モニタ出力ピンを搭載。過電流保護機能と温度補償機能により、異常発生後も自動で動作を再開可能なほか、バッテリ逆接続保護や、設定可能なウィンドウ型ウォッチドッグおよびプログラム可能なリセット・ジェネレータなどの機能安全も備えているともしている。
なお、AEC-Q100規格に準拠した同製品はすでに量産中で、LQFP64パッケージ(10mm×10mm)で提供され、単価は1000個購入時に約4.2ドルだという。