台湾最大のファブレスであるMediatekは1月10日、2021年12月度業績ならびに通年業績を発表した。それによると、2021年通年の売上高は、前年比53.2%増の4934億1500万NTドル(約2兆540億円、1NTドル=4.16円換算)となったという。

スマホ向けSoCでトップシェア

香港に本拠を置くハイテク市場調査会社であるCounterpoint Technology Market Researchによると、2021年第3四半期におけるスマートフォン(スマホ)向けAP(アプリケーションプロセッサ)/SoCのグローバル出荷量は、前年同期比6%増、中でも5Gスマホ向けSoCの出荷数は前年同期比でほぼ2倍に増加したという。

同社によると、MediaTekはスマホSoC市場でシェア4割を有し、競合のQualcommを抑え、首位の座を守ったという。ミドルレンジおよびハイエンドSoCの高い需要がMediaTekの成長を後押しした模様である。また、2022年も第1四半期に5Gスマホ向けフラグシップSoC「Dimensity 9000」が投入されること、ならびにチップセット価格が2021年第4四半期より上昇していることを踏まえ、ラインナップ全体の平均販売価格も上昇するものとみられるという。

  • 2021年第3四半期におけるスマートフォン向けAP/SoCの出荷シェア

    2021年第3四半期におけるスマートフォン向けAP/SoCの出荷シェア (出所:Counterpoint Research Quarterly AP/SoC/Baseband Shipments Tracker, Dec 2021)

なお、5Gベースバンド市場に限るとQualcommがシェア62%とトップである。Apple iPhone 13シリーズの5Gベースバンドモデムチップセットの受注のほか、フラグシップのSnapdragon 8シリーズからミッドレンジ向けのSnapdragon 4シリーズまで、幅広い製品群で強い需要があるという。一方のMediaTekもDimensity 700ならびに800シリーズがローエンドならびにミッドレンジで強い需要があり、シェア28%と首位のQualcommを追随している。

  • 5Gスマホ向けベースバンドチップの出荷シェア

    2021年第3四半期の5Gスマホ向けベースバンドチップの出荷シェア (出所:Counterpoint Research Quarterly AP/SoC/Baseband Shipments Tracker, Dec 2021)