HORIBAグループで半導体製造用マスフローコントローラ(流体の流量制御機器)を手掛ける堀場エステックは、同社子会社で、中国でマスフローコントローラの開発、生産、販売を手掛ける厚礼博精密儀器(北京)(英名:HORIBA Precision Instruments (Beijing))が、中国での業務拡大のため、北京首都国際空港近くの工業団地内へ社屋を移転したことを発表した。
新社屋の延べ床面積は従来比2.6倍となる3247m2で、移転に伴う生産エリアの拡張および効率化により、2025年までに現在の約3倍となる生産体制の確立を目指すとしている。
マスフローコントローラ市場で約60%(2021年12月時点、同社調べ)の世界シェアを持つとされるHORIBAグループでは、中国で拡大する再生可能エネルギーやパワー半導体などからの需要に確実に応える体制を構築することで、さらなるシェア拡大に取り組むとしている。
中国でのマスフローコントローラ拡販の背景
世界中でカーボンニュートラルの実現に向けて電気自動車の普及や新エネルギーへの転換促進が課題とされる中、中国でも太陽電池などの再生可能エネルギーやパワー半導体といった市場への投資が拡大しており、それに併せてそれらの性能・品質要求も高まっており、製造装置のキーコンポーネントであるマスフローコントローラの需要も拡大しているという。同社でも、こうした需要の高まりに増産で対応を図っていくとともに、顧客の要望に応じたアプリケーション開発にも注力していくとしている。
なお堀場エステックは、韓国にすでにマスフローコントローラの生産・販売拠点を立ち上げ済みのほか、ハイエンド製品の生産も現地で行うなど生産体制強化を図っているほか、R&Dセンターも設置し、Samsung Electronicsなど韓国大手顧客の要望に応じる形でアプリケーション開発も韓国内で行える体制を構築している。今回の中国での生産体制強化は、こうした韓国での動きに続くもので、同社の急成長が見込める海外現地での生産を促進する流れを加速させるものとみられる。