台湾・高雄市政府と独Merckは12月14日、台湾南部科学園区高雄園区にてMerckにとって世界最大となる15ha以上の大型生産拠点と研究開発センターを建設するなど、TSMCが進出予定の高雄市やTSMCの本社工場のある新竹市に今後5年で170億NTドル(約700億円)を投じる計画であることを発表した。

  • Merckの台湾投資

    Merckが行った台湾への投資に向けた記者会見の様子 (出所:台湾高雄市政府Webサイト)

Merckは会見にて、グループとして電子材料の開発において100年の歴史を有しており、次世代の電子製品の開発を促進し、その価値向上に貢献するために、半導体およびディスプレイ材料ソリューションの提供に台湾で取り組んでいくと述べている。

高雄市経済開発局によると、今回の投資額の9割が高雄市での投資に充てられる予定だという。具体的には、高雄の既存敷地内にある電子材料供給装置製造工場の拡張を行うと同時に、半導体材料製造および研究開発センターを周辺地域に建設することを計画しており、これにより高雄市での400人の雇用を生み出すほか、台湾のみならず世界の顧客に半導体材料を安定的に供給することを目指すとしている。

Merckの計画では、新たに特殊ガスなど化学材料の貯蔵や輸送システムの製品ラインアップを拡充し、2022年末にも台湾内やアジア向け供給を開始する予定だとしている。また第2期工事として、2022年から南科高雄園区で、半導体材料の大型生産拠点と研究開発センター(メガサイト)の建設を開始、2024年までに完成させる予定だともしている。半導体の先進製造プロセスに必要な薄膜材料、特殊ガス、感光材、研磨材など同社の半導体関連商品各種が高雄で製造されることになるという。このほか、台湾北部の新竹地区では、CMP技術の研究開発と応用の実験室をすぐにも拡張する計画だとしている。

  • Merckの台湾投資

    Merckの台湾における投資スケジュール (出所:台湾高雄市政府Webサイト)