日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、毎年1月と7月に半導体およびFPD製造装置の需要予測を発表しているが、半導体業界の積極的な設備投資を背景に、7月に発表した2021年度の半導体製造装置需要予測の見直しを行い、その売上高を従来の前年度比22.5%増の2兆9200億円から同36.9%増の3兆2631億円へと上方修正したことを発表した。
半導体需要の高まりに伴い、設備投資が拡大
SEAJは、今回の上方修正の背景について、「世界半導体市場統計(WSTS)によると、2021年の半導体市場はロジック、メモリ、アナログを中心に大きく増加しており、5月予測時の前年比19.7%増から8月発表の改訂予測では同25.7%増に上方修正されている。これに併せて、半導体製造装置もロジック、ファウンドリ、メモリを中心に、2021年4~6月度の販売高が、前年同期比48%増の249億ドルと、2四半期連続で過去最高値を更新しているほか、4月から8月までの日本製半導体製造装置販売高も、前年同期比41%増の1兆2606億円を記録するなど好調が持続している。新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの混乱や半導体を含む部品調達リードタイムの長期化といった懸念はあるものの、2022年もデータセンターや5G向けを中心とした高い最終製品需要が見込まれており、設備投資に対する意欲は旺盛である。これらを総合的に判断した結果、2021年度の販売高について、7月予測時の前年度比22.5%増から上方修正し、同36.9%増の3兆2631億円と予測しなおした」と説明している。なお、2022年度および2023年度も過去最高を更新する見込みの2021年度を上回り、それぞれ5%程度の成長が見込まれるとしている。
日本製FPD製造装置市場の予測は据え置き
一方の2021年度のFPD製造装置市場について、SEAJは7月の時点では同1.3%増の4700億円と予測している。4月から8月までの実績値は、同54.4%増の2113億円と躍進しているが、前年の4月から8月にかけては、一大市場である中国が渡航制限を行うなど、現地での立ち上げ検収が困難であった時期でもあり、2021年度全体を通してみると、伸び率は平準化されるとSEAJは見ていることから、現時点では予想を据え置いているとしている。