電子ビーム技術を基幹とした新しい半導体製造技術の啓蒙と推進に注力する団体である米eBeam Initiativeは9月28日(米国時間)、半導体音マスク分野を中心とした半導体業界関連企業44社を対象としたフォトマスクに関連する調査の結果を公表した。

44社の回答者の主な内訳は、マスクサプライヤが37%、半導体製造装置メーカーが31%、EDA/IPベンダが10%、研究機関が10%、半導体デバイスメーカーが5%となっている。

それによると、EUVの活用により、マスク使用枚数は減るが、マスク単価そのものは高くなるため、2021年のマスク市場は前年比で高くなるとの回答が74%、横ばいが23%、減少が3%となったという。

2021年のマスク市場の成長性について74%が増加、23%が横ばい、3%が減少としており、2020年調査では増加が66%であったことから、業界では前年以上の成長を期待していることがうかがえるという。また、EUVペリクル膜を少なくとも1社が大量生産向けに導入するのはいつごろか、という問いに対しては、2023年までには、という回答が全体の75%を占めるとしている。ただし、具体的にはいつ頃か、というと、2021年、2022年、2023年とバラつきがあり、コンセンサスが得られておらず、全体的にやや後ずさりした感がある状態となっている。

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    調査結果 (出所:eBeam)

EUVを用いたデバイス量産のために、どのようなマスク検査手法が2023年までに採用されると思うか? という問いについては、全体の72%がActinic検査(λ=13.5nmのEUV光源を採用した検査)と回答しているが、同検査手法については日本のレーザーテックが市場を独占している分野であるという。

2023年時点でのEUVマスク製作に要する時間は、ArF液浸の場合と比べるとどうなるか、という問いについては、74%が長くなると答えているほか、マスク製造工程のどこかにディープラーニングを適用することで競争優位性を得る時期については、2022年までに、と答えたのが、2020年調査では62%であったが今回は22%に減少しており、ディープラーニングの導入については後ずさりしている様子がうかがえる。

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    調査結果 (出所:eBeam)

このほか、新規の調査項目である「2022年末までにおける曲線図形を有するマスクの実現の度合い」に関しては、一部の部分に適用が51%、需要があればどこにでも適用が16%、どこにでも適用が4%と、一部でも使われるとの見方が71%を占めたほか、曲線図形を有するマスクは、EUVよりもArF液浸で多用されるとの回答が多く、また曲線図形マスクの生産に当たっての最大の懸念事項は、マスクの検査ならびにマスク製造工場の基盤機構であるとの回答が多かったという。

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さらに、今後3年間でマスク製造に使われる描画機はどういったものか? という問いについては、回答者の90%がマルチ電子ビーム(EB)露光装置を選んだほか、可変成形型(VSB)EB露光機やレーザー方式の露光機なども前年調査よりも導入機運が高まっている結果となったという。

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    調査結果 (出所:eBeam)