韓国の中堅ファウンドリDB Hitek(元東部Hitek)が、GaNならびにSiCベースのパワー半導体事業に参入することを検討していると、韓国の電子メディアetnewsが伝えている。

現在、DB Hitekは、GaN/SiC製造のための設備導入を検討しており、早ければ来年にもGaN/SiC半導体製造ラインを構築するという。韓国自動車メーカーの要請もあり、車載向けを最重点目標にしているようである。

韓国政府は、5月に発表した「K-半導体戦略」で、PIM(Processing-in-Memory)AIチップ、データ収集センサチップに加えて、非シリコンパワーデバイスを開発支援の重点項目にあげており、今回のDB Hitekの参入検討は政府の意向に沿ったものとみられる。

DB Hitekは、200mmラインで電力管理半導体(PMIC)、ディスプレイドライバIC(DDI)、イメージセンサなどを委託生産する韓国のファウンドリ。韓国内ではSamsung Foundryに次いで2位の規模ながら、事業規模そのものは大きく差がついているため、巨象Samsungとの直接的な競争を避けて、レガシーラインで大きな投資をせず生き残る作戦を模索している。なお、韓国のシリコンウェハメーカーSK Siltronが、すでに米DuPontよりSiC事業を買収していることから、韓国内における第3世代半導体のサプライチェーンは徐々に構築されていると言えそうだ。