半導体市場調査会社であるIC Insightsは、2021年第1四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15(ICおよびオプトエレクトロニクス、センサ、ディスクリート半導体、ファウンドリを含む)を発表した。

それによると、トップ15社の売上高合計は前年同期比21%増の978億4100万ドルで、これは半導体市場全体の成長率である同18%増よりも高い値となっている。また、本社所在国別では米国が8社、韓国、台湾、欧州が2社ずつ、そして日本が1社(キオクシア)となっている。

企業体別では、IDMが7社(Intel、Samsung Electronics、SK Hynix、Micron Technology、Texas Instruments、Infineon Technologies、STMicroelectronics)、ファブレスが6社(Qualcomm、Broadcom、NVIDIA、MediaTek、AMD、およびApple)、ファウンドリが1社(TSMC)となっている。

  • IC Insights

    2021年第1四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15 (出所:IC Insights)

トップ15の中で唯一のマイナス成長となった首位Intel

売上高を見ると、トップ15社のうち13社が前年同期比で2桁増の伸びを示した。また1社(キオクシア)が1桁%の伸びを示したものの、首位Intelだけが同4%減とマイナス成長を記録。このIntelを除いた14社の平均成長率は同29%増と、より高いものとなる。

トップ15から消えたHiSilicon

2021年第1四半期のトップ15には、前年同期16位だったMediaTekが10位に、同18位だったAMDが11位に入ってきた。その代わり、ランク外となったのはHiSiliconとソニーで、HiSiliconは親会社であるHuaweuに対する米国政府による制裁措置に伴い、TSMCの先端プロセスを用いた製造が2020年第4四半期以降できなくなったことが響いた格好である。

なおIC Insightsでは、この種の売上高ランキングをほかの調査会社のような「市場シェアランキング」ではなく、「トップサプライヤリスト」としては発表している。このため半導体の売り上げとして、ファウンドリが含まれることとなり、ファウンドリと製造受託企業の2重カウントが生じているため、合計売上高は他社のランキングのものよりも高くなっていることに注意が必要である。これは、同社の情報を購入する顧客が主に半導体業界のベンダ(製造装置、部材、化学薬品、ガスなど)であり、ファウンドリのような大規模なICメーカーを除外すると、半導体のトップサプライヤリストとして見た場合「穴」が開いてしまうのを防ぐためにしている処置であるという。ただし、製品タイプ別のICサプライヤの市場シェアランキングにはファウンドリは含まれていない。