日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は4月9日、低EMIの小型電源ソリューションを可能とする42V同期降圧DC/DCコントローラ「LM25149ファミリ」を発表した。
同ファミリは、アクティブEMIフィルタ(AEF)とデュアル・ランダム・スペクトラム拡散(DRSS)テクノロジを内蔵したもので、多くの周波数帯で伝導EMIを最大55dBμV低減できるようになるほか、外付けEMIフィルタの面積を50%近く、体積では75%以上削減することを可能とする。また、同社ではこれらフィルタサイズの縮小と低EMIの両方を実現することも可能だとしている。
具体的には、内蔵AEFにより、150kHz~10MHzの周波数帯の伝導EMIを検出して低減。AEF無効時と比較して、スイッチング周波数が440kHzのときにEMIを最大50dBμV減衰、標準的なパッシブフィルタを用いた設計と比べると20dBμV程度EMIを減衰することができるとしているほか、いずれの場合において、DRSSテクノロジにより、低周波数帯から高周波数帯にわたりEMIをさらに5dBμV減衰することができるとしている。
また、同ファミリには車載向け品「LM25149-Q1」も用意。すでに提供を開始している車載向け低EMIソリューションである充電ポートコントローラ「TPS25850-Q1」や非同期整流昇圧コンバータ「LM5157-Q1」などと組み合わせて活用することで、自動車に求められる低EMIを実現できるようになると同社では説明しているほか、LEDやPMIC(パワーマネジメントIC)など、さまざまな車載半導体製品と併せて活用することで、市場投入期間の短縮やユーザーエクスペリエンスの向上などを図ることができるようになるとしている。
なお、LM25149ならびにLM25149-Q1は2021年第4四半期からの量産開始が予定されているが、量産前製造分についてはすでに3.5mm×5.5mm、熱特性強化型24ピンVQFNパッケージで提供されており、TIのWebサイトから購入することが可能。1000個受注時の単価(参考価格)は、それぞれ1.42ドルならびに1.20ドルから設定されている。
また、LM25149-Q1を搭載した評価モジュール(EVM)「LM25149-Q1EVM-2100」も用意されており、こちらもTI Webサイトより75ドルで購入することが可能となっているほか、同社ではピン互換の80V品の開発も進めているとしている。