United Silicon Carbide(UnitedSiC)は、同社の第4世代(Gen4)に位置づけられるSiC FET技術をベースに開発した4種類の750V対応品を発表した。

同社のGen4 SiC FET技術は2020年4月にその存在が明らかにされたもので、定格電圧を上昇させつつ、高度なセル密度を実現することで、単位面積あたりのRDS(on)を低減することを可能としたという。

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    Gen4 SiC FET技術の概要 (資料提供:UnitedSiC)

これにより、Gen3ベースの製品では650V品(別途1200V品も提供)であったものが、750Vへと引き上げられることとなった。また、スイッチング性能やオン抵抗の値も改善が図られており、±20V、5Vのしきい値電圧で、0~12Vのゲートドライバを使用することが可能なため、汎用SiC MOSFETやSi IGBT、Si MOSFETのゲートドライバでも動作させることができるとしている。

4製品は、60A品と21A品に分かれており、いずれもTO-247-3LパッケージならびにTO-247-4Lパッケージで提供される。この750V品のターゲット市場として同社は車載、ITインフラ、エネルギー関連としており、中でも日本市場も重要な地域との考えを示す。

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    今回発表された4製品の製品仕様 (資料提供:UnitedSiC)

そうした日本市場の攻略に向け、同社は2020年11月に、リニアテクノロジーの代表取締役を18年務めるなど、アナログ半導体に長年従事してきた望月靖志氏を日本代表に招へい(余談だが、リニアテクノロジーの親会社Linear Technologyを買収したAnalog DevicesとUnitedSiCは戦略的パートナーシップを締結している)。同氏は、すでに日本国内の一部顧客からも、従来のIGBTをSiCに置き換えたい、というニーズを聞いている、としており、今後、国内顧客に向けて積極的に既存のシリコンパワー半導体からSiCへの置き換えを促していきたいとしている。

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    Gen4 SiC FET製品のターゲット市場 (資料提供:UnitedSiC)