東芝は9月29日、同社連結子会社の東芝デバイス&ストレージで手掛けてきたシステムLSI事業について、今後の新規開発から撤退することを決定したと発表した。

すでに当該事業は2019年度より車載デジタルおよび既存顧客サポートを除くロジックLSIからは撤退していたが、今回の決定で完全にシステムLSIの新規開発からは撤退することとなる。ただし、同社が長年にわたって提供してきた画像認識プロセッサ「Viscontiファミリ」などの既存製品については、今後も拡販ならびに顧客サポートを継続するとしている。

残るアナログICならびにマイコンについては、ディスクリート半導体とのシナジーが高く、かつ今後も市場の成長が見込みえるモーター制御用製品に注力する形で、製品開発を継続していくとしている。また、CCDリニアイメージセンサならびにファウンドリサービスについても、今後も継続的にサービスの提供を行っていく予定としている。

なお、今回の決定に伴い、東芝では東芝デバイス&ストレージの半導体事業部におけるシステムデバイス事業統括部、スタッフ部門、営業部門に在籍する社員、んらびに共通スタッフ、研究開発部門の一部、および一部子会社の社員についての人員再配置ならびに再就職支援を含む早期退職優遇制度の実施を、2021年2月末までの退職を前提として約770人の人員を対象に行うとしている。また、これにかかる費用としては概算で約118億円を見込んでいるが、すでに2020年度通期業績見通しには折り込み済みだという。