NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は6月15日、企業や学校などでのあらゆる活動を非対面で仮想的に実現するxRビジネスの一環として、英会話における学校での教育活動におけるVR学習の有効性に関しての実証実験を行ったことを発表した。

  • 実験イメージ

    実験イメージ

この実証実験は、同志社中学校(京都市)の協力のもと、生徒を12名ずつ2つのグループに分け、入国審査やレストランでの注文など、留学や海外旅行で必要となる英会話を学習するもの。

一方のグループはスクリプトと音声教材による従来の方法で学習し、もう一方のグループは、VRを活用し現実さながらのコミュニケーションを体験。その後、それぞれのグループの生徒に対し理解度テストを行い、ネイティブスピーカーと英語教諭が、習熟度を5項目で評価することで、グループ間の習熟状況の差異を比較したという。

その結果、VR学習を行ったグループは従来の方法で学習したグループに比べ、「レスポンス」、「発音」、「正確性」、「理解力」の4項目で、スコアを上回っていることが確認されたという。特に「正確性」では約10%向上していたということだ。

  • (左)VR学習を行う生徒、(右)VRを活用した学習例(入国審査シーン)

    (左)VR学習を行う生徒、(右)VRを活用した学習例(入国審査シーン)

また、今回VR学習を体験した生徒を対象にアンケート調査を行ったところ、約74%の生徒が「VRによる学習方法は効果がある」と回答したという。その理由として「本当にそこに外国の方がいるようで、理解度テストではあまり緊張しなかった」などの声があり、VRで疑似体験をすることでテストでも落ち着いて対応できることが効果として挙げられたということだ。