Xilinxは5月19日(米国時間)、20nmプロセスを採用し、耐放射線性を備えた航空宇宙グレードFPGA「RT Kintex UltraScale XQRKU060」を発表した。
同製品は、同社の65nmプロセスを採用した航空宇宙グレードFPGAをベースに開発されたもので、軌道上でのリコンフィギュレーションを可能にするソリューションとなると同社では説明している。
性能としては、2760個のUltraScale DSPスライスを搭載しており、前世代比で10倍以上となる最大1.6TeraMACの信号処理演算を提供する。また、最大12.5Gbpsで動作する32個の高速トランシーバー(SerDes)で実現する最大400Gbpsの集約I/O帯域幅と組み合わせて使用することで、システム全体の性能向上を図ることも可能だという。
同社では、リコンフィギュラブルな能力と高い演算性能を活用することで、宇宙空間にてリアルタイムかつオンボードで高度な演算処理や機械学習の高速化を図ることが可能になるとしており、広帯域ペイロード、宇宙探査、研究ミッションなどにおける高い演算要件を満たすソリューションを提供することを可能にすると説明している。
なお、同製品は打ち上げ時の振動や操作、過酷な軌道上の放射線影響に耐えることができる40mm×40mmの堅牢なセラミックパッケージで提供され、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、静止軌道(GEO)の全軌道および高度な探査任務に対応する業界要件を満たすという。すでにメカニカルサンプルとプロトタイプユニットが提供されており、評価キットや開発キットを用いたプロトタイプ作成が可能となっている。また、20nm RT Kintex UltraScale XQRKU060-1CNA1509 FPGAのフライトユニットが、MIL-PRF-38535準拠のXilinxクラスBおよびクラスY認定デバイスとして、2020年9月上旬から提供される予定だという。